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mm

夢幻のごとく消ゆるのです

0 2024/03/08 (Fri) 14:04:39
元スレのログ、消滅したみたいですね。
長い時の流れを感じます。
あんみつ - Re: 夢幻のごとく消ゆるのです 2024/03/13 (Wed) 23:05:42
あの量となるとタダじゃないですもんね……
無常……
あんみつ

無題

0 2024/02/04 (Sun) 17:25:28
支援会話更新にはキャラ一覧表更新が必要だった……!
サボりにサボったツケが今ここで払われる!!

……というわけで、近々もうちょいちゃんと更新します。
支援会話部屋も必要か。
あとなんか謎の人物名のページは削除しました。
mm - Re: 無題 2024/02/09 (Fri) 14:24:38
更新乙です。いつもありがとうございます。

わあ、なんだかwikiが充実しちゃってるぞぉ…
mm - Re: 無題 2024/02/27 (Tue) 22:12:00
コメットさんが除雪用シューターのレビューをレビューをしておられる。
走破性は微妙で整備された道でしか…街中や会堂でしかでしか使えない程度のものだが、一方本場のベルターナでは踏破性特化のシューターが開発されているという不思議な状況でもあります。
二国が技術的な協力関係を結べれば、シューターの平和利用の幅ももっと広がるかもですね。

建前はともかく。
除雪用シューターをレビューするコメットさんかわいい。
あんみつ - Re: 無題 2024/02/29 (Thu) 17:35:19
レビュー見つかった!
(流石に嘘数値はやりすぎかなと削除しました)

ウィキいじっていてふと見たら心の中のコメットさんがコメントしたそうにしていたのでな……
そもそもとして除雪が必要なのは山よりも馬車道だと思ったのでそんな嘘設定付け足ししました。
(現実の除雪車も道路の舗装で必要になってきたようです。自動車で融雪剤とかも必要になる)
ベルターナは侵略する側だったので雪山も川も砂漠も自宅警備員も踏破するつもりで作られているんでしょうね。
今も無限軌道的な物とか弓じゃなくて火薬とかそれこそ魔道シューターとか頭上の敵に攻撃しうるシロモノを研究していそうではあります。

シューターの平和利用はそうですね、そういう関係結べたら素敵です。
軍用品の技術が民間に流出して平和利用されるというのはよくあると思うので将来的にシューターを何故シューターというのか知らないような民間人がシューターに乗ってるなんてこともあるかもしれないですね。
コメットさん自体は元々シューターをぶっ放すために研究所に入ったわけなので悩ましいことでもあります。

>かわいい
やったぜ
mm

シャルティエル×レア支援会話

0 2024/01/20 (Sat) 00:09:55
#C
シャルティエル「なあ、レア」
レア「なに? 割と改まった顔して」

シャルティエル「レアゾンの事を教えてくれない?」

レア「突然すぎない?……良いと言えば良いけどさー」

シャルティエル「どうかした?」

レア「いや、ちょっと恥ずかしいっていうか……。微妙に私のことだけど私じゃない上にぜんぶ本音になるしさあ?わざわざシャルに話すってなるとさあ……」

シャルティエル「話せないの?」

レア「話しますー。ちょと頭の中で整理したかっただけですー」

シャルティエル「……」


レア「レアゾンはマクダレーナに作られたアポストル。製造目的は他人に成り済ます事。まあ、失敗作だったんだけど」

シャルティエル「失敗作?」

レア「うん。もっと簡単に他人に見た目を化けられる予定だったんだけど……強烈な感情を感知してその気になれば中身まで真似る。しかできない。想定よりは出来はいいけど使いにくいアポストルがなんかできちゃった……ってわけ」

シャルティエル「だから、ものまねが得意なのか」

レア「たぶんね。……「シャルさん!」「喜べ!女神の直系!」って具合に」

シャルティエル「……ムサシと、ミケイルか」

レア「よく似てるでしょ?観察力ばっちりよね。で、神殺しの目途が立ってテンション爆上がりしたマクダレーナを模倣した結果が今の私ってわけ」

シャルティエル「そうか」

レア「結局、レアゾンもガリアントも、ミケイルも最後の戦いに連れて行ってもらえなかったんだけどさ。……。ひどいよね。自分で作った道具なんてそんなものだった。ちょっと、くやしいし、寂しいよ」

シャルティエル「レア……」

レア「まあ、でも。シャルと出会えて、私のほしかったものを貰えて、大事にしてもらえてるから。レアゾンの願いもかなっているし、結構幸せなんだよ私」


#B

シャルティエル「レア、お前の幸せってなんだ?」

レア「どうしたの突然」

シャルティエル「ただ気になった。それだけだ」

レア「いいよ、教えてあげる。
 頼られること、命令されること、……子どものころに大事にしていた人形みたいに。大切にしてほしい。……だから私、シャルに大事にされて凄く、嬉しいよ」

シャルティエル「 ……それは、アポストルの幸せじゃないのか?」

レア「私だって、それでいいよ?……それでよかったんだよぉ。
シャルがそんな顔するからだよぉ。私は道具として大事にしてもらえれば大事にしてもらえればそれで充分幸せなんだけどなあ。

シャルティエル「……」


レア「そんなふうに、困ったみたいな、怒ったみたいな悲しいみたいな顔でこっち見ないでよぉ。私が間違ってるみたいじゃんか。」

シャルティエル「……道具として大切にされることが、お前の幸せだというのか?」

レア「そんな顔してるシャルの前で頷くの、キツイんだけど?
 ……そうだよ。私は、そう思っている。ち私はアポストル。人間じゃなくて道具だよ。その方がしっくりくる」

シャルティエル「嘘つくな」

レア「そうだよ。それは嘘だ。
私だってわかんない。誰かに化けてる時のレアゾンなら多分わかると思う。分かったと思う。ミケイルやガリアントだって、分かると思うんだ。どっちつかずな私は、道具としては壊れているんだから。」



#A

シャルティエル「あれから、いろいろ考えてみた。レアを道具として大切にすることが俺にとって正しくない事だ」

レア「おおう……。いきなりどうした?」


シャルティエル「マクダレーナに作られたアポストルであっても、マクダレーナそっくりだったとしても。いまだに怖くても、それでも……それよりも」

レア「まってまってまって」

シャルティエル「俺は、お前のことが好きだ。道具への、愛着じゃない」

レア「シャルはさあ。想いを伝えるの、1か0しかない人? そこまで直接的に言われると本当に恥ずかしいんだけど」

レア「私でいいの? 先はないよ?」

シャルティエル「構わないし、ずっとそうとも限らない」

レア「もう。私も、シャルの事、好きだよ。そばにいてくれたら幸せかもしれない。でも……どうなっても知らないよ?」

シャルティエル「嬉しいな」

レア「~~~~~。凄いね、シャルは」

シャルティエル「レア、お前の幸せって、なんだ?」

レア「……レアゾンの幸せはね。世界を味わう事だった。
二文字消えた私の幸せは。シャル、あなたの想いに応えられたことだよ」
あんみつ - Re: シャルティエル×レア支援会話 2024/02/04 (Sun) 16:22:40
投稿お疲れ様です。遅くてすみません……
使徒編後の二人ですね。
シャルと一緒にレアには幸せになって欲しいな。
二人のやりとり見てると私もちょっと照れちゃいます(年か?
mm - Re: シャルティエル×レア支援会話 2024/02/09 (Fri) 14:16:06
>あんみつさん
私はこの二人すごくかわいいと思ってます。
名無しお母さん

描いてみた2

0 2022/01/06 (Thu) 23:47:25

明けましたおめでとうございます。
お久しぶりです。
日常生活に少し余裕が出てきたので、新編のジュリアのイメージイラストを描いてみました。

なんか男みたいになったな…と思ったのでその辺に落ちてたクーピーで色付けてみたら収集がつかなくなって結局ペイントで修正かけました。
クーピー難しい。
唇に色ついたらちょっと女の子ぽくなったように思います。
画力と絵柄の古臭さには目を瞑ってくれると心が軽くなります。

今年こそは文章を投稿したいです。
2022年も何卒よろしくお願いいたします。
mm - Re: 描いてみた2 2022/01/08 (Sat) 16:54:01
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

ジュリア様、お美しい。ご尊顔を拝見できて感無量故、お気に召されることはございませぬ……
胸のブローチはもしやアビーに差し出したやつなのでは?


2章以降ずっと楽しみにしています。
スマホお母さん - Re: Re: 描いてみた2 2022/01/09 (Sun) 02:19:52
>>mmさん
お返事ありがとうです。
今風の洗練された絵柄とタッチを目指すのですが、どうしてもこういう絵柄に着地してしまいます。
折角美しいと言って頂けたので、次はもう少し丁寧に描いてみます。

>ブローチ
そうです。アビちゃんに渡そうとしたものです。
お母さんから贈られた数少ない形見であり彼女のファーストジュエリーでもあります。
それをピンチの時に迷いなく差し出しちゃうジュリアは男気があり、色々察して受け取らなかったアビちゃんは心配り出来る人だと思いますb
結構大きめに描いてしまいましたが、本当はもう少し小さい物を想定しています。
名無しお母さん - Re: 描いてみた2 2022/02/11 (Fri) 18:27:18

シャルティエル君とレア様イメージ絵を描いてみました。
ペンできちんと清書すると雰囲気もハッキリしていいですね(画力の誤魔化しはできなくなりますが…)
特にシャル君は髪型が迷走してたのでペン入れてよかったです。
ラニアは寒い国なのでストールは必須だと思うのです。

レア様はマクダレーナと同じ顔で闇を抜いた顔…とのことでしたので可愛く(幼く)描いてみました。
これを大人っぽくしてちょっと怖くしたらマクダ様になります。
髪型はなんとなくポニーテールのイメージがあったのでそうしました。
こういうポニテが流行ってると聞いたので取り入れてみましたが、フード被るときちょっと面倒そうですね。
mm - Re: 描いてみた2 2022/03/01 (Tue) 23:56:11
レ、レア様!?レア様ナンデ!?!?!?!?! マクダ様の銀髪に対しての金髪ポニテに設定しましたからねレアの髪形は、私が!
マクダレーナ様髪くくってなさそうじゃないですか。それに対して髪くくってたら活動的な印象になりません!?なると思います!

超かわいい。超かわいい。大きめリボンカワイイ。玉ねぎポニテかわいい。二つとも私からは出てこない発想……!他者解釈が入ってるのめっちゃいい……
フード被る時面倒だけど、何か大切な思い出とかあるんですよきっと。

光のマクダ様。海底都市時代はこんな顔もしたんやろなア……って思いながら書いてた思い出がよみがえる…蘇る………
レア様は自我を獲得して日が浅いので、無垢な笑顔を向ける事にためらいがないっていうか……

でもこの子が終盤悪い顔するんですよ!?大切な相手の為に命を捨てても惜しくないって思いながらものすごく頑張って!!

やだ、シャル君……イケメン。結構優しそうな顔してる…。勝手に使徒編終わった後はこういう表情しそうと思いました。
それはレア様も好きになる。これは当然……。マクダ様だっていじめたくなる。これもまた当然……。
髪の色が一部ちがうの、神秘的な感じ。
このストールとフード、もしかしておんなじ店で一緒に選んだとか?
なんか使徒編終わったあとの二人って感じする!



落ち着きました。
大変すばらしいイラストをありがとうございます。間違いなく寿命が延びました。


名無しお母さん

残滓編1話 登場人物

0 2021/02/03 (Wed) 21:01:02
名前:ジュリア
性別:女
年齢:14

出身:セイシェル皇国

クラス:ナイトロード
LV:1
HP15 力3 魔力0 速さ7 技5 守備4 幸運5 魔防1 体格7(16) 移動7
属性:雷
剣E
所持品:★ケラウノス
スキル:カリスマ 下馬(屋外マップでは任意、屋内マップでは必ず発動)

 905年の大戦で法皇アナスタシアに反旗を翻したファレンシス家当主、マリーアンの娘。
 アナスタシアからの恩赦と他家からの恩情によりゲルブライト家に保護され、客人以上の待遇を受け生活している。
 折り目正しい性格で情に厚く思い遣りも深いが、若さ故なのか少々前のめり気味で潔癖が過ぎるのが玉に瑕。
 特にエイルの極端な人柄の変化ぶりについていけず、彼には特に冷たい。その冷たさの中には戸惑いや怒り、失望、軽蔑……と色々な感情が内包されている。

 気高く堂々とした立ち居振る舞いは周囲に正直で自信に満ち溢れた印象を与えるが、意外にも己の胸中を誰かに語ることは少なく、自問自答や脳内会議を繰り返しては苦悩する癖がある。
 これはゲルブライト家の人々やレイスやエナシュ達からは可愛がられ周りとも良好な関係を築けてはいるが、真に気を許せる相手がいないため。
 過去の大戦以降、他人に自分の気持ちや考えなどを打ち明ける機会が極端に少なくなってしまった…のかも知れない。
 また周囲の雰囲気に敏感な一面もあってか、より遠慮している節もある。
 表面に出ている態度とは裏腹に心の奥底では孤独を抱えており、家族愛や友愛を強く求める繊細な心を持ち合わせている。
 そしてその孤独感を他人に見抜かれ付け込まれる危うさを孕んでいる。

 年上や目上の人間には丁寧な言葉を使うが、感情が昂った時や同輩には男性のような口調で話す。
 これは彼女の武芸の師であるレイスと教養の指南役であるダリアの影響が強い。
 特にダリアのような風雅な麗人を「おねえさま」と呼び慕う傾向があり、自身もそういう女性に憧れているためそのように振舞っている。
 
 戦いでは馬を駆り騎士さながらの戦いを見せるが、本来得意なのは白兵戦。その動きは「蝶のように舞い蜂のように刺す」という言葉がよくあてはまる。
 剣と魔法を巧みに使いこなすレイスに憧れを抱き、レイスに魔道の教示も受けていたが素質が無かったらしい。
 その事に落胆するジュリアを見かねて(或いは面倒臭く思って)レイスに与えられた剣こそが雷の魔法剣『ケラウノス』であり、ジュリアはこの剣をとても大切にしている。
 戦術もあまり得意ではないようで、基礎を抑えつつ直観に頼る傾向が強い。しかし勘とセンスで戦いを切り抜けられるのはある意味才能ともいえる。

 趣味は乗馬。愛馬の名のシュトーレンは彼女の好物に由来する。
 また意外にも読書家で、稽古や座学が無い日は書庫に足繫く通っている。

 着衣のイメージカラーは紅。
 金髪の真っすぐな長髪をハーフアップに結わえている。
 凛とした雰囲気でキツ目の顔立ちだがハシバミ色の瞳とぷるぷるの唇がチャームポイント。
 身長は170センチより少し低め。
 
 本名はジュリア・ロータス・ファレンシス。

成長イメージ:HP・魔力・魔防は伸びが悪く、速さ・幸運が良く伸びる。
力と技の成長は中途半端で運次第……といった所だが、専用武器が色々手に入るので非力さを補う事は十分可能。

専用武器
★ケラウノス ジュリア専用 剣E 威力10 命中100% 必殺5% 射程1~2 重さ7 耐久40
→ジュリアの愛刀。遠距離攻撃でサンダーとほぼ同等の威力を発揮する。
 新進気鋭の鍛冶師とレイスとの合作でこの世に二つとない刀剣らしい。

スキル
カリスマ:3マス以内の味方に命中・回避10%必殺率5%付与される。
 付与率はレベルにより増えていき、最大で命中・回避20%必殺率10%まで上昇する。

下馬:力と技が3ポイント加算され、守備と速さが3ポイント下がり、歩数は5歩となる。
 加算分の付与数はレベルにより増えていき、最大6ポイントまで増え、減少値は0となる。歩数は6歩となる。

◇◆◇

名前:ケヴィン
性別:男
年齢:14

出身:セイシェル皇国

クラス:村人
LV:1
HP20 力6 魔力0 速さ1 技6 守備5 幸運3 魔防0 体格13 移動5
属性:光
斧E 槍E
所持品:鉄の斧
スキル:怒り

 ファレンシス領トリゴの村の少年。普段は大工の見習いを生業としている。
 いつか牛馬や魔法を使わない建設のための道具(現代でいう建設機器)を設計・製作する事が夢。
 これは昔マリーアンから学問の教授を受けた事がきっかけ。
 その日を生きる事に精一杯だった自分に目標を持つことを教えてくれたマリーアンに感謝している。905年以降は仕事の合間を縫って独学で勉強を続けていた。
 
 立派な体格とは裏腹に物静かで非常に控え目な性格。
 しかし家族や友人など自分の大切にしているものが危機に晒された際は普段以上の力を発揮し、誰よりも速く動ける勇気を持っている。
 ゆったりとした口調と飾らない物言いは、本人の温和な性格にも起因するが、口がきけない母と円滑にコミュニケーションを取るためであり、その際に少しでも気持ちを落ち着けて母に感情表現をして貰いたい、という彼なりの思い遣りである。
 本来は勇敢で聡明な人柄であるが、静かに目立たぬように振舞っているのは、そうする事で弱者である母を守るため…なのかもしれない。

 快活で自信に満ち溢れているように見えるジュリアに尊敬と憧れ以上の感情を抱いている。
 実は二人は幼い頃に一応面識はあるのだが、ケヴィンが引っ込み思案でジュリアと他の子供達との遊びの輪に入れなかった(或いは入らなかった)という過去がある。

 戦いとは無縁な生活を送ってきたため、完全に我流で危なっかしい面もあるが、体躯どおりの力強さ、複数の武器を扱う器用さが持ち味となるに違いない。
 戦士としてどのように成長していくか未知数な人物である。

 趣味は木彫り細工や模型を作ること。手先を使う事で頭が空っぽになって気持ちがスッキリするらしい。

 着衣のイメージカラーは黄。
 濃藍の瞳が優しげで素朴な顔立ちをしているがその年齢にしては立派な身体(所謂がっチビ)をしている。
 赤毛の短髪は癖毛でニワトリの鶏冠のように逆立っており、外見は結構目を引く。 
 身長は165センチより少し高め。

成長イメージ:HP・力・技が良く伸び、速さ・幸運・魔防は伸びにくい。但し速さと守備はどういう職種を選択するかによって多少変わってくる。

スキル
怒り:敵から攻撃された際に一定の確率でクリティカルが発生する。
 またはHPが50%以下になった時に自分から攻撃した場合、クリティカルが発生する。
 確率はレベルによって上昇していき、最大20%まで上昇する。
名無しお母さん - Re:残滓編1話 登場人物 2021/02/03 (Wed) 22:50:58
残滓編1話に登場したその他の人物たち

◇エイル
 本名エイル・クレメンティナ・ゲルブライト。
 ミドルネームが女性名なのは、母クリスティナの生家に産まれてきた性別と逆の名前を付けると幸せになれる…という言い伝えがあるため。

 23歳。その美貌は衰えることを知らないが、905年の頃の真面目で優しかった彼はもういない。
 義手・義足で動くためにそれこそ血の滲むような努力を重ね、結果ガタイが非常に良くなり逞しくなった。身長は180センチ程。
 ある日全てを放り投げ、唐突にセイシェル皇国から姿を消す。
 彼の心は完全に壊れてしまったのか、それとも……?

 趣味は晩酌……と言っても日中も飲んでいる相当な「うわばみ」だが、特別酒に強いわけでは無い。
 何かを紛らわせ、物思いに耽るためについつい過剰に飲んでしまっている。

◇レイス
 24歳。エイルの右腕であり「盾」となる男。
 身長は190センチ前後。セイシェル皇国出身の男の中でも特に背が高い。
 905年の頃は荒くれた印象で突っ張った態度を取っていたが現在はかなり落ち着き、冷徹さに磨きがかかった。

 他国(主にベルターナ)の動向にも目を光らせつつ、義兄であるオレーグ卿の補佐をも務める働き者。
 更にはジュリアも目を掛け武芸の指南役も務める。身体がいくつあっても足りなくなりそうなその働きぶりは、過去にさる女公爵に仕えた女傑を彷彿とさせる…かも知れない。
 他国の要人(主にアスレア)一目置かれ、引き抜こうとする者も少なくないが、エイルとの絆は何があっても揺らぐことはない。
 
 趣味は武器の収集。戦士としての師であり人生と先輩である「彼」の趣味をしっかり受け継いでいる。
 一度だけある鍛冶師と共同で剣を打った事があるらしい。物の出来はかなり良かったが本人曰く「性に合わなかった」とのこと。

 ちなみにセイシェル出身の貴族や豪商はミドルネームを持っているが彼だけは何故か持っていない。


◇ダリア
 エイルの妹。本名はダリア・セオドア・ゲルブライト。
 19歳。父セドリックの補佐として奔走し、母クリスティナの心身の健康を気遣い、ジュリアの姫君としての教養の指南役もこなす忙しい男装の麗人。
 容姿はエイルと瓜二つと言っても過言ではなく、背丈も女性にしてはかなりの長身。
 男装している理由は「ドレスは好かぬ」とのこと。そして留学先で「麗しの紳士」ごっこという妙な遊びを覚えてきたため。
 流行に敏感かつ自身に似合う装いを理解している洒落者で、留学先でもそのセンスは上々の評判だったらしい。
 因みに留学の目的は異国の文学や芸術を学ぶため。

 家族思いでジュリアの事も本当の妹のように可愛がる心優しい性格。 
 同時に快楽主義者で、美しいもの・楽しい事柄をこよなく愛し、戦や血生臭い事は大嫌い。多少は剣術の心得があるが、あくまで儀礼用に嗜んだ程度。
 元々兄とは仲が良く、人が変わってしまった兄の危うさを非常に心配しており、本当は兄には穏やかで平凡な生活を送って欲しかった、と思っている。(とはいえ公爵家の次期当主として有事の際にはあらゆる面で戦わなければならない、という事も理屈では理解している)

 因みにレイスに微妙に突っかかるような態度を取るのは、幼い頃から兄をからかったり荒事に巻き込んだりしてきたのを見ているため。しかし当の兄はそれを楽しそうに受け入れていたため、嫉妬も含まれている。

 趣味は舞台鑑賞。
 しかし最近はそれを楽しむ余裕があまりないので退屈な思いをしている。
 ジュリアとの稽古は舞踊と歌の稽古がやたら多い。
 半分はジュリアのためであり半分は自分のため…なのかもしれない。


◇エミーナ
 ケヴィンの母。年齢は40歳前後。
 内気だが息子の事を大切に想う愛情深い女性。
 言葉を発する事が困難な障害を抱えている。因みに耳は聞こえるらしい。
 一時期はファレンシス家でメイドとして働いていた事もあり、主に調理場の仕事の担当だった。
 しかし刺繡や裁縫をマリーアンに教えて欲しいと頼まれ、一緒にやっていた事もある。ジュリアが身に着けていた産着やドレスは実はエミーナとマリーアンが一緒になって作った物が多い。
 この手先の器用さは方向性は違えど息子にバッチリ受け継がれている。
 自分の存在がケヴィンの人生の妨げになっているのではないか、と悩みがち。だからこそケヴィンがやりたい事を見つけた時は全力で背中を押してあげたいと思っている。


◇レシエ
 トリゴの村の村長。年齢は70歳前後。
 エミーナの伯母でありケヴィンの大伯母にあたる人物。本編の第一話でケヴィンが彼女を呼ぶ際に「お……」と詰まっていたのは「大伯母さま」と呼びそうになったため。
 加齢のせいもあるが手や足腰が不自由で椅子に座っている事が多い。
 本来なら何の役割も果たせず生涯を終えていくだけだった自分に対し、文字と教養を授け村長になれる程までに能力を開花させてくれたマリーアンには心底感謝している。
 立場上、使用人を何人か抱えているが、自分出来る事は極力人に頼らず、自分で出来る事を増やしていこうとする芯の強さを持っている。
 上品でありつつも逞しい生き方はマリーアンから教わったもの…なのかもしれない。
㎜ - Re: 残滓編1話 登場人物 2021/03/05 (Fri) 16:04:15
名前:【アビゲイル】
性別:女性 
年齢:29歳
性格:陽気で飄々とした性格。たまに気障。
出身:トーヴェ王国
容姿:髪色は青色濃いめ。
趣味:自分を磨く事
特技:利益計算 大局を見る事
欠点:とくになし
好きな物:利益 愛 可能性
嫌いな物:不信
家族:父 ?
クラス:ファルコンナイト
持ち物:銀の槍 鉄の剣 調合薬 調合薬 
レベル:1
HP:26 力:10 魔力:5 速さ:15 技:12 守備:9 幸運:12 魔防:12 体格8 移動:8
スキル:連続
槍A 剣B
属性:雷
トーヴェ王国のファルコンナイト。ベテランの傭兵であり、後輩や同輩からの信頼も厚い。

行動理念は己の欲望である。トーヴェの発展及び、自分自身を高める事。自分の気持ちのいい形でを優先する為、享楽的に見られることもある。

実力は確かであり、この10年の間、依頼を(依頼人が裏切った場合を除き)必ず成功させている。
各国有力者にコネを持ち、その影響力は一回の傭兵の枠に収まらないと噂される。
しかして、全てを飲み込み、己の力とするようだ、と。評価されることもある。セイシェル皇国は深いお客様。

かつての大戦において連合軍側で参加。エイルたちの部隊へ同行する事はなかったが、トーヴェの傭兵たちを率いて多大な戦果を挙げた。


拠点会話を行う事でディエヴァスの守りが手に入る。
名無しお母さん

残滓編 第1話

0 2021/01/24 (Sun) 05:06:09
■プロローグ

 竜と女神に創られし大陸ヴィルサイティス。
 大陸歴905年の事、混沌と怨嗟の魔女マクダレーナの暗躍によりこの大陸全土に戦の花が咲き乱れた。
 しかし各国の英雄らの共闘により花は散り、マクダレーナは混沌と世界から解放され、その顔に喜びを湛え、ヴィルサイティスを旅立った。
 そしてその5年後――。
 大陸歴910年、今も大陸は時を刻み続ける。
 父なる竜の背を血で汚し、母なる女神の御心に深い爪痕を残し、一人の乙女の魂と引き換えにして。

■セイシェル皇国 背景<ゲルブライト邸宅 バルコニー>

 月が冷ややかに煌めく晩、一人の貴人が杯を片手にバルコニーに佇んでいた。
 短く切り揃えられた銀糸の髪を淡い夜風が撫ぜ、通り過ぎて行く。
 貴人の名はエイル・クレメンティナ・ゲルブライト。905年の大戦を戦い抜いた英雄「だった」青年の一人である。
 エイルは杯に注がれた琥珀色の酒を勢い良く飲み干し天を仰ぐと、微笑みを浮かべ古い愛の詩を囁いた。

「その辺にしておけ」

 誰かがエイルの背後から杯を取り上げる。
 振り返りざまにバランスを崩しよろけたエイルを、長身の貴族の男が抱き留めた。
 
エイル「やあ……、お帰りなさい」

 褐色の肌、鋭い切れ長の双眸――男の名はレイス。エイルとは幼馴染の間柄であり、彼もまた905年の大戦を戦い抜いた一人である。
 セイシェル皇国の格式高い貴族の装いに身を包み、エイルを支える右腕であり”盾”となった彼からはかつての荒くれた印象は見受けられない。

レイス「飲みすぎだ」

 レイスは小さく息を漏らし、エイルを壁にもたれかけさせた。

エイル「どうだった? ”議会”は」

 エイルは俯き、小さく笑いながら尋ねた。

レイス「……相も変わらずだ。
大陸復興へ向けての議論もそこそこに、本題はアレについてだ」

 眉間に皺を寄せてレイスは空に向けて顎をしゃくる。
 夜空には、月とはまた別の黒い何かが夜風と戯れるようにふわふわと漂っている。
 その形はまるで巨大な魚影のようであり、まるで太陽のようだった。

レイス「混沌と災厄の象徴であり元凶でもあるアレを――”黒い太陽”を粛正するか否か。
粛正を勧めるベルターナの女帝アスレアと断固反対するベルニア新王ティーンの舌戦の末、いつもの時間切れだ。
双方は一歩も譲らず。他国の王族貴族は腹の内じゃどう思っているかは別にして、どちらにも加担してねえ」

エイル「そう」

レイス「だが日に日にベルニアの方が分が悪くなってきている。ベルニア王の言い分は余りに現実的じゃねえ。
……正直、俺だって未だに」

エイル「レイス」

 エイルが顔を上げ、微笑みながら小さく首を横に振った。オーロラ色の瞳の奥は冷たく、笑っていなかった。

レイス「……悪かった」

 エイルは微笑んだまま再び視線を床に落とす。

レイス「陰でベルターナの技術者連中がきな臭い動きをしているという情報が入ってきている。恐らく近々強行に出るつもりだろう。
こちらとしてはベルターナが今以上の軍事力を持つことを何としてでも食い止めて」

エイル「私には政治の事はよく分からないよ」

 エイルは困り笑いを浮かべてレイスの言葉を遮る。
 レイスは言いかけた言葉を飲み込み、エイルを見返した。

レイス「お前は……本当に、それでいいんだな?」

 レイスの問いかけにエイルは何も答えず、黒鉄の義手を本物の手指のようにひらつかせ、バルコニーを後にした。
 
エイル「おやすみなさい」

■セイシェル皇国 背景<ゲルブライト家 廊下> 

エイル「お……っと」

 エイルが覚束ない足取りで鼻歌混じりに歩いていると誰かとぶつかった。
 
エイル「……あぁ、すまなかったね。大丈夫かい?」

???「……」 

 相手――少女は口を真一文字に閉じで答えない。

エイル「そろそろ子供は眠る時間だ。早く部屋に戻りなさい」

 エイルは少女の頭に手を置く。少女はその手を振り払いエイルを鋭く睨みつけた。

エイル「お……っと。ははは、おやすみなさい。良い夢を」

 エイルは微笑み、立ち去った。
 残された少女は唇を噛み、ふらふらとその場を後にするエイルの姿が見えなくなるまで睨み続けた。 

 ――そしてその日、銀星の貴公子エイルはセイシェルから姿を消した。
名無しお母さん - Re:残滓編 第1話 2021/01/24 (Sun) 05:08:10
■セイシェル皇国 背景<ゲルブライト家 門前>

侍女「ジュリア様、どちらへ行かれるのです?」
 
 陽の光の下、淡く輝く長い金の髪を靡かせ颯爽と歩く少女を侍女は慌てた様子で引き留める。
 ジュリアと呼ばれた少女は静かに振り返った。
 まだ幼いながらもその顔立ちは気高く、腰に剣を差し背筋を伸ばした様は凛々しく、先導者さながらの風格さえ纏っていた。
 一方、彼女のハシバミ色の瞳と紅薔薇の蕾のような豊かな唇は愛らしさと温かみを帯び、人好きのする明るい魅力を醸し出していた。

ジュリア「……散歩へ」

 短く言い、連れていた相棒の黒馬――シュトーレンに跨る。

侍女「ですが今日は、ダリア様と舞踊の稽古のお約束が」

ジュリア「約束した刻限までには戻ります。……行くぞ、シュトーレン!」

 ジュリアは侍女の静止を振り切り、愛馬シュトーレンの腹を軽く蹴って共に駆けだした。

■セイシェル皇国 背景<湖畔>

 愛馬を駆り、街道と深い森を抜けたその先には小さな湖が拡がっていた。
 水鏡のように空の色を写し取る程澄んだ水辺の畔には、名も無き色とりどりの草花が慎ましくも美しく咲き乱れている。
 ここはジュリアのお気に入りの場所だった。
  
ジュリア「……んーっ!」

 ジュリアは愛馬から降り、大きく伸びをする。そしてその場に大の字になって寝転ぶと胸いっぱいに空気を吸い込んだ。
 瞼を閉じ、鼻腔に拡がる土と柔らかな草花の香りを心の奥深くで味わう。

 ――久し振りに、息をしたような気がする。

 エイルが消息を絶って十日が過ぎていた。
 事は公にはされず邸宅内でも一部の者にしか知られていなかったが、ここ数日間の邸宅内全体の空気は息が詰まる程張り詰めていた。
 特に息子の突然の失踪にエイルの母、クリスティナの塞ぎ様は見ていられなかった。
 
 ――クリスティナ様だけじゃない。セドリック様もダリアおねえさまも、お疲れになっている……。

 ジュリアは先の大戦の最中に勃発したセイシェル皇国での反乱に与したファレンシス家の女当主、マリーアン卿の忘れ形見だ。
 謀反人の娘であり、独りぼっちになってしまったジュリアを本当の家族も同然に受け入れてくれたゲルブライト家の人たちの悲しむ姿を思い出し、ジュリアは胸の奥が締め付けられる感覚を覚えた。
 ……同時に灼けつくような苛立ちが、沸々と湧き上がってくる。

 ――家族を、あんなに優しくて素晴らしい人たちを悲しませるなんて!

 ジュリアは閉じた瞼をさらに強く閉じると、エイルの姿が脳裏によぎる。
 過去の大戦から帰還した際のエイルの余りに痛々しく惨たらしい姿に、誰もが言葉を失った。
 しかしベルニア新王を筆頭にトルケ王国の王女、レイスらの尽力の甲斐あってか、驚異的な早さでその身を回復させていった。
 以前の身体に戻って間もなく自由都市で行われている”議会”に出席し、積極的に公務に励み、公人としての責務を果たそうとしていた。
 その様子に誰もが安堵し、拙いながらも元の日々に戻っていく……少なくともジュリアはそう思っていた。

 ――だけど、あの人は変わってしまった。

 いつの日からかエイルは”議会”への出席をぱったりと止めてしまった。
 最近では公務さえもレイスやダリアに任せる事が増え、虚ろな瞳で昼夜問わず空を見上げては、酒を煽るようになっていた。
 その余りにも極端な変化ぶりに、彼の家族や彼を慕う人々、そしてジュリアも困惑を隠せないでいた。

ジュリア「一体、何があったっていうんだ……」

 きつく閉じていた瞼をやわらげ、うっすらと瞳を開ける。
 抜けるような群青の空に漂う巨大な影がジュリアを見下ろしていた。
 終戦後に突如として現れたそれこそが、エイルが天を仰ぎ飽きもせずに見つめているもの。
 空に浮かぶそれが一体何なのか、ジュリアは知らない。
 エイルの師であるエナシュ将軍は”エイルは忘れ物を取りに行きたいのだよ”と要領を得ない事を言っていたが……。

 ――その『忘れ物』は、家族や今あるものを蔑ろにする程のものなのか?
 
 悠然と空を漂うそれを見ていると、再びエイルの姿が脳裏によぎった。今度は虚ろに微笑み、空を仰ぎ酒を煽る姿だ。
 ジュリアの眉間に皺が寄る。再び灼けつくような苛立ちが込み上がってきた。

ジュリア「……ああ、もう! 折角息抜きに来たのにっ」

 ジュリアは上体を起こし、手元に伸びていた草を千切って投げた。
 千切られた草は、宙に舞い風に運ばれて何処かに飛んでいった。
名無しお母さん - Re: 残滓編 第1話 2021/01/24 (Sun) 05:12:04
■セイシェル皇国 背景<街道>

 結局ジュリアは休息もそこそこに、予定よりも早くゲルブライト邸宅に戻ることにした。
 ゲルブライト家の人々の事。
 突然人が変わったように堕落した挙句、失踪したエイルの事。
 エイルを腫物のように気遣いをする周囲の事。
 過去の大戦の最中に起こった出来事。
 空に浮かぶ巨大な影の事。
 これらへの疑問と苛立ちが堂々巡りして、気が休まらなかったのだ。

ジュリア「……うん?」

 ジュリアが悶々としていると、向こう側から力なく歩いてくる人影が目に入った。
 顔を俯かせ気味に歩いていた相手もジュリアに気付き、道の端に寄り短く逆立った赤毛の頭を下げ、ジュリアが通り過ぎるのを待つ。
 セイシェルの技師や職人の男達が身に着ける装束の無造作に捲り上げられた袖から伸びた腕や首筋、肩も、騎士団の男たちに引けを取らぬ程逞しかった。
 ジュリアとシュトーレンが男の横を通過すると男は再び歩き出した。ジュリアが男を横目で追うとやはり力なさげに、とぼとぼと歩いていった。

ジュリア「――君! 待ってくれ!」

 男は不意に呼び止められた事で弾かれたように背筋を伸ばし振り返った。
 立派な体躯とは裏腹に、男の顔立ちは素朴で優し気であった。少年と青年の狭間で揺れる容貌から察するに、年の頃は恐らくジュリアとそう変わらない。
 ジュリアは愛馬のを転回させ彼に近づいた。

???「ぼ、僕に何か御用ですか?」

 少年の濃藍の瞳には困惑の色が浮かんでいる。

ジュリア「すまない、突然声をかけたりして」

 言ってジュリアはシュトーレンの背から降りた。意外にも背丈はジュリアとそう変わらなかった。

ジュリア「なに、君が酷く思い詰めているように見えたから気になってしまってね。
……私の思い違いならそれで良いんだが、何か困った事でもあったのかい?」

 赤毛の少年はジュリアの問いに暫し言い淀んで口を開いた。

???「……村を、僕の住んでいる村を助けて貰えないかと思ってゲルブライト公爵様の邸宅を訪ねたのですが、誰にもお会い出来なくて」

ジュリア「門前払いを食らったのだろう?」

???「どうして分かるんですか?」

ジュリア「! いや。君の表情を見てそう思っただけだよ」

 ジュリアは慌てて首を横に振って答えた。

 ――迂闊なことを言って民を不安がらせてはいけない。

???「……一応、門兵の人には村長様から預かった手紙は何とか渡す事は出来たけど…… けど…… ……」

 少年は俯き唇を噛むと小さく肩を震わせた。
 
ジュリア「大の男がなんて顔をしているんだ。
門前払いとは言え嘆願書は渡せたのだろう? きっと公爵様方のお目に留まるさ」

 ジュリアは少年の背中を叩き力強く言った。

ジュリア「とりあえず君を家まで送ろう。家族や村の人達が君が戻って来るのを待っている筈だ。
君、名は何という? どこの村から来たんだい?」

ケヴィン「……ケヴィン。トリゴ村のケヴィンです」

 少年、ケヴィンの絞り出すような答えにジュリアは思わず目を見開いた。
 トリゴという村は、今はゲルブライト家の統治下にあるがかつてはファレンシス領内にあった村の一つだった。

■セイシェル皇国  ファレンシス領内 背景<村>

 目の前に拡がる惨状にジュリアは呆然となり言葉を失った。
 踏み荒らされた田畑、火に焼かれ崩れ落ちた家屋、逃げ惑う人々とそれを追い回すならず者共――まさに今、略奪が行われている瞬間だった。

ケヴィン「! 母さんっ!」

 ジュリアがはっと我に返るより僅かに早く、ケヴィンがシュトーレンの背から飛び降り駆けだした。

ジュリア「ケヴィン!? ……あれは!」

 向こうから中年の女性が走ってくるのが見えた。それを粗末な身なりの男が斧を掲げて追い回している。
 女性の足が縺れて躓き、転んだ。とうとう男が追いついた。その場に蹲り身を縮こまらせた彼女めがけて斧が振り下ろされる。

ケヴィン「!!!!」

 ケヴィンが咆哮を上げ勢い良く男に体当たりを食らわせると、男はケヴィン共々吹き飛び地面を転がった。
 跳ねるようにケヴィンはすぐさま起き上がり、蹲る女の身を案じるように駆け寄る。
 二人の様子から女がケヴィンの母親なのだとジュリアは察した。
 男がよろよろと立ち上がった。片手の斧は手放していなかった。
 ケヴィンもそれに気付き母を庇うように母に覆いかぶさり身をすくませる。

ジュリア「! いけないっ!」
 
 ジュリアは腰に差した剣を鞘から抜く。剣先を天に掲げると刀身から稲妻が迸った!

■セイシェル皇国領内 戦闘<村>

 =戦闘アニメーション ジュリア VS 山賊=
 
 山賊Lv.1
 HP26 力8 速さ7 技4 守備4 幸運0 魔防0 体格12 移動5
 所持品:鉄の斧

 ・ジュリアの攻撃 ジュリアのケラウノスの魔法攻撃によるクリティカルで山賊撃破
 ※命中率・回避率・必殺率など無関係にこの戦闘では必ずジュリアがクリティカルで敵を撃破する
 ※経験値は入らないがケラウノスの使用回数も減らない

 男はジュリアの剣から放たれた稲妻に打たれ、再び倒れた。

ジュリア「お怪我は?」

 呆然とするケヴィンとその母にジュリアが駆け寄り尋ねると、母親は言葉なく首を横に振った。

ジュリア「では見つかり難い場所に身を隠すのです」

 ジュリアは短く言い、未だ踏み躙られ続ける村を見やった。
 身体は自然と動いた。ジュリアは剣を抜いたまま愛馬と共に蛮行の渦中へと飛び込む。

ジュリア「命が惜しくば立ち去れ!」
 
 そして力の限り叫んだ。その瞬間、あらゆる眼差しがジュリアに向けられる。
 ジュリアはぶるりと身震いした。しかしすぐさま己を奮い立たせるように瞳を見開き、剣を握る手に再び力を込め直した。
 
ジュリア「退かぬなら! 私が相手になろう!!」

■戦闘開始!

勝利条件:敵全滅
敗北条件:ジュリアの敗北

敵:盗賊×2 山賊×3 戦士×2 傭兵×2
ドロップアイテム:傷薬×2

NPC:村人×5
・村人は「救出」すると経験値が100入る。
名無しお母さん - Re: 残滓編 第1話 2021/01/24 (Sun) 05:16:22
■戦闘開始直後の会話 戦闘マップ<村>

・ジュリアの隣にケヴィンが並ぶ

ケヴィン「ま、待ってください!」

ジュリア「! ケヴィン?! ここにいては危ない。君も母君と一緒に隠れているんだ」

ケヴィン「いいえ。ぼ、僕も一緒に戦います。逃げ遅れた人たちを一人でも多く助けたいです!」

 斧を構えて見せたケヴィンの手は、かすかに震えていた。しかしその眼差しはジュリアと同じく覚悟を決めた眼だった。

ジュリア「……それは私も同じ気持ちだ。
しかしバラバラに動くのは危険だ。出来るだけ私の傍を離れず、私の指示に従い行動すると約束出来るか?」

ケヴィン「は、はい! 約束します!」

ジュリア「よし。では私が敵を引きつけよう。君はその隙を見計らって逃げ遅れた人たちの事を頼む」

ケヴィン「はい! ……あ! あの!」

ジュリア「何だ?」

ケヴィン「お、お名前を教えてくれませんか?」

 ジュリアは未だ自分の名をケヴィンに告げていなかった事に気付いた。

ジュリア「ジュリアだ。こっちはシュトーレン。
では改めて……共に行こう! ケヴィン!」

ケヴィン「はいっ、ジュリアさま!」

■戦闘中の会話 戦闘マップ<村>

・敵フェイズ2ターン目開始時に敵増援 ソルジャー×2 賢者×1

・ソルジャーは村人NPCに向かって移動及び攻撃を開始する
・賢者はユニットが移動できない場所に待機してその場を動かない。

ジュリア「! あの軍服は……!」

・ジュリア、敵ソルジャーに隣接

ジュリア「これは一体どういう事です? 領民を守る立場の方々が一体何をしておられるのですか?!」

 兵士が纏う軍服は、ゲルブライト公爵家直属の騎士や文官のみが身に着ける事を許されたものだった。
 現在ファレンシス領の村々には、ゲルブライト公爵家に直接仕える文官や兵士が派遣され統治がなされている。だがその兵士達が事もあろうにファレンシス領民に刃を向けている。
 その現実を目の当たりにしたジュリアの胸の鼓動が速くなる。眉間の奥が疼き、唇が震えた。

兵士「……」

 ジュリアの問いに兵士は答えなかった。しかし返事の代わりと言わんばかりに兵士の持つ槍の穂先がジュリアめがけて突き出された。

ジュリア「なっ!?」

 =戦闘アニメーション ジュリア VS ソルジャー=
 
 ソルジャーLv.1
 HP30 力6 速さ7 技6 守備7 幸運0 魔防1 体格10 移動5
 所持品:鉄の槍

 ・ソルジャーの攻撃がジュリアに命中
 ※パラメータなど無関係にこの戦闘では必ずジュリアが一定のダメージを受ける
 ※ジュリアの装備とは無関係にジュリアは反撃をしない

ジュリア「く……」

 既のところで相手の一閃をかわし致命傷は免れたものの、一瞬の隙を突かれジュリアは傷を負った。
 痛みと身体から血が流れる感触が合わさる。ジュリアは眉間に皺を寄せた。

ケヴィン「ジュリアさま!」

・ケヴィン、ジュリアに隣接

ケヴィン「ジュリアさま、大丈夫ですか!?」

 ケヴィンの青ざめた顔を見てジュリアは歯を食いしばり、かぶりを振った。

ジュリア「こんな怪我、大したことはない」

ケヴィン「だけど……」

ジュリア「いいから! 私に構わず行くんだ!」

ケヴィン「は、はい!」

・ケヴィン、ジュリアから3マス離れる

 ジュリアは自信ありげにケヴィンに言ってみせたが、内心動揺していた。
 まさかゲルブライト公爵家直属の正規兵が野盗と共にジュリアたちを攻撃してくるとは思わなかったのだ。

 ――だが、ここで退くわけにはいかない。

ジュリア「さあ、行くぞ!」

 ジュリアは剣を構え直した。すると……。

兵士「???縺茨ス医?縺?ス??縺?ス抵ス茨ス呻シ??撰ス抵ス具ス費」

ジュリア「!? な、なんだ。何を言っているっ」

 兵士は聞いた事のない、恐らくどこの国の言葉でもない言葉を発した。
 兵士は再びジュリアに鋭く槍を向けた。弾かれるようにジュリアはシュトーレンを駆り、咄嗟に兵士との間合いを取った。

・ジュリア、敵ソルジャーから1マス離れる

兵士「縺ヲ繧㎝繝ウtwpc縺ョ邨オ縺「縺?ス難ス」

 兵士が再び何かの言葉を発する。発せられた言葉や表情からは何の感情も抑揚も感じられない。
 その異様さ、不気味さにジュリアは全身を粟立出せた。

???「良かったら助太刀しましょうか?」

ジュリア「!?」

 ジュリアの頭上に大きな影と、鳥の羽にしては大きな白い羽が一片落ちてきた。
 ジュリアは声のした方――空を見上げた。
 逆光で良く見えなかったが、大きな翼と人の姿が重なって見えた。

ジュリア「……天使……」

???「まさか」

・ファルコンナイトがジュリアに隣接

 声の主が天馬を駆り、ジュリアの目線近くまで降りてきた。
 紺碧の髪を簡素に纏め上げた、快活そうな面差しの成熟した女性騎士だった。

ジュリア「貴方は何者です?」

アビゲイル「あたしはアビゲイル。トーヴェ国の天を駆ける傭兵の存在はご存じで?」

ジュリア「傭兵……」

 アビゲイルはにこやかに「はい」と頷く。

アビゲイル「あたしを雇ってくださればこの戦い、必ず勝ちに導いて差し上げます」

 アビゲイルは軽快に言ってのけた。
 余裕と自信に満ち溢れた瞳の輝きと、手入れが行き届き使い込まれた武具を見てジュリアは頷いた。
 
ジュリア「分かりました、貴方を雇います。是非お力添えください。
……では、どうぞこれを」

 ジュリアは自身の上着に刺していた黄金のブローチを外し、アビゲイルに差し出した。
 宝石が散りばめられ、凝った細工のそれは見るからに高価でこの世に二つとない物だと見て取れた。

アビゲイル「えーっと、これは?」

ジュリア「本来は金銭を払うべきなのでしょうが、生憎今は持ち合わせがありません。なので代わりにこれを差し上げます。
換金すれば5000ゴールドくらいにはなるでしょう。ですから」

 アビゲイルは首を横に振りブローチをジュリアに突き返した。

ジュリア「これでは足りませんか?」

アビゲイル「いえいえ。そういうのは大事に持っておいた方がいいと思いまして。
お金はあたしの戦いぶりを見てから払ってもらえれば良いですよ。何なら出世払いでも構いません」

ジュリア「そういうもの、ですか?」

アビゲイル「まぁ、その時その時で違うんですけどね。
さあ、そんな事は置いといて。ぱぱっと片付けちゃいましょう、ジュリア様!」

■戦闘中の会話 戦闘マップ<村>

 ・ジュリア・アビゲイル隣接時

アビゲイル「ジュリア様、一度後方に下がってお怪我の処置をなさってください」

ジュリア「いえ。この程度、大したことありません」

アビゲイル「駄目です。その傷を放っておけば今後の行動に差し障ります。退ける時に退くのも大切な事ですよ。
それに姫君の玉のお肌に傷跡でも残ったらどうするんですか」

ジュリア「……分かりました。貴方の言う通りにしましょう」

アビゲイル「これをお使いください。あるスジから仕入れた特製の調合薬です。良く効きますよ」

ジュリア「ありがとう、遠慮なく使わせてもらいます。……それはそうと、私はまだ貴方に名を名乗っていなかった筈ですが……」

アビゲイル「やだなー、気のせいですよ。
まぁそんな事より、しっかり傷の手当てして下さいね。では、また後で!」

 『調合薬』を手に入れた!

■戦闘中の会話 戦闘マップ<村>

 ・ケヴィン・アビゲイル隣接時

アビゲイル「キミがケヴィン?」

ケヴィン「! はい。えっと……」

アビゲイル「あたしはアビゲイル。今さっきジュリア様に雇われた傭兵。……ふーん……」

ケヴィン「あ、あの……何ですか?」

アビゲイル「キミ、力もありそうだけど、手先も器用そうだよねえ。
……これあげる。使える武器は多い方が何かと便利だし、状況に応じて使い分けてよ」

ケヴィン「あ、ありがとうございます! やってみます」

アビゲイル「ま、無理しない程度に頑張って。じゃあね!」

 『鉄の槍』を手に入れた!
名無しお母さん - Re: 残滓編 第1話 2021/01/24 (Sun) 05:20:15
■エピローグ

■セイシェル皇国 ファレンシス領内 背景<村>
 
ジュリア「はぁ……はぁ……」

 ケヴィンとアビゲイルの援護もあってジュリアはどうにか野盗を撃退できた。
 
 ――残るはあと一人。

 ジュリアはゲルブライト家の正規兵を引き連れ、一人高みの見物をしている高位の魔道士を睨みつけた。
 しかしその者はジュリアと対決する事なく、その場を後にした。

ジュリア「! 待てっ!」

アビゲイル「ジュリア様、深追いはよした方が良いですよ」

ジュリア「しかし……」

アビゲイル「残念ながらあっちの方がジュリア様より格上です。追いついた所で返り討ちに遭うのが目に見えてますよ」

 痛いところを突かれてジュリアは言葉を詰まらせる。

アビゲイル「どうしても気になるって言うんなら、あたしにお任せください。
戦闘もさることながら、追跡や偵察は得意中の得意ですから」

 アビゲイルは胸を張ってジュリアに言ってみせる。

ジュリア「……では、お願いします。何から何まで、ありがとうございます」

アビゲイル「いえいえ。これが仕事ですから。
それじゃ、行ってきます」

・アビゲイル、マップを離脱する

 ジュリアは剣を鞘に収め、昂った気持ちを抑えるべく深呼吸をした。
 息を吸った唇は震え、鼓動は耳の奥に響くほど激しく高鳴っている。

 ――戦いは、終わったんだ。

ケヴィン「ジュリアさま!」

ジュリア「! ケヴィン」

 ケヴィンが母と共にジュリアに駆け寄って来た。
 その表情は最初に出会った時よりも晴れやかに見えた。

ジュリア「みんな……無事だったんだね」

 周囲を見回すと、村の人々が家屋や田畑の鎮火作業や怪我人の手当などにあたっている。

ジュリア「良かった、本当に」

ケヴィン「ジュリアさまのお陰です。母さんも助けてくれて、本当にありがとうございます」

 ケヴィンが大袈裟に頭を下げた。その後ろで彼の母親も瞳を潤ませて何度もジュリアに頭を下げた。

ジュリア「いや、きっと私独りでは足がすくんで何も出来なかった。君の咄嗟の勇気があったから私は動けたんだ。
私の方こそ、ありがとう」

 ジュリアが微笑み言うと、ケヴィンは照れ臭そうに、そして誇らしげに笑ってみせた。

ケヴィン「そ、そうだ! 村長様がジュリアさまに直接会ってお礼を言いたいって」

ジュリア「ああ……礼はともかく、私からもお聞きしたい事があるんだ」

 ジュリアがシュトーレンの背から降りた。その途端、ジュリアはその場にへたり込んでしまった。

ケヴィン「ジュリアさま!?」

ジュリア「ほっとして、力が抜けてしまったみたいだ。……すまないが手を貸してくれるか?」

■セイシェル皇国 ファレンシス領内 背景<民家>

ケヴィン「さあ、こっちです!
お……村長様! 連れてきました!」

レシエ「ああ、ケヴィン、ありがとうね」

 ケヴィンと彼の母親に案内された家屋の一室に、杖を携えた老齢の女が椅子に腰かけていた。その傍らには使用人らしき者を従えている。
 彼女がトリゴの村の長なのだとジュリアは察し、一礼した。

レシエ「わたくしは村の長を務めます、レシエと申します。この度は村の窮地をお救いいただき、本当に、本当にありがとうございます」

 村長はそう言うと椅子から腰を上げた。しかし上手く身体に力が入らないのか、バランスを崩し床に膝を着く。
 ケヴィンと使用人が慌てて彼女を助け起こし、改めて椅子に座らせた。
 床を転がった杖をジュリアが拾い上げると、ジュリアは大戦から戻って暫く経った頃のエイルを思い出した。

 ――この人は、身体の自由が効かないんだ。

レシエ「申し訳ありません、本当はこちらから出向きお礼を申さねばならないのに……」

ジュリア「構いません。お怪我はありませんか?」

 ジュリアは膝まづき、杖を改めてレシエの手に握らせる。そして彼女の手を慈しむように包み込んだ。

レシエ「……貴方様はもしや、マリーアン様の……?」

ジュリア「!」

 ジュリアは思わず顔を上げた。

レシエ「ああ、ああ……やはり、ジュリア様なのですね!」

ケヴィン「村長様、ジュリアさまを知ってるんですか?」

レシエ「知っているも何も……ファレンシス領主様の、マリーアン様のお嬢様ですよ」

ケヴィン「え?!」

 ケヴィンが驚きの声を上げた。

ジュリア「母と面識がおありだったのですか?」

レシエ「マリーアン様はジュリア様をお連れになって何度もトリゴの村を慰問に訪れてくださいました。その際にわたくしやエミーナ――ケヴィンの母のような障碍を抱える者にも文字や学問、様々な技術を授け、生きる術をお与えくださいました。
その時の御恩、生涯忘れますまい」

ジュリア「慰問……」

 ジュリアは記憶を遡る。

ジュリア「確かに、この村に限らず何度か領内の町村を母と訪れた記憶があります。尤も私は旅行気分で遊び回っていただけだった気もしますが……。
それはともかく、私の事などとうに忘れられていると思っていました」

レシエ「忘れる筈がありません。幼い頃のジュリア様も、今のようにわたくしの手を優しく握ってくださいました。
あのお可愛らしかった姫様が、こんなにご立派になられて……将来が、この地に再びお帰りくださるる日が楽しみでなりません」

ジュリア「私は咎人の娘です。貴方がたにそのように思って頂く資格はありません……」

レシエ「何を仰います。ジュリア様は今こうして我々の窮地をお救いくださったではありませんか。
マリーアン様も、あのような事になってしまいましたが、常に領民が少しでも豊かな暮らしが出来るように、常に我々に寄り添いを思い遣ってくださる御方でした。
貴方も、貴方のお母様も我々のために文字通り命を賭して戦ってくださいました。その事には変わりありません」

ジュリア「どういう事です? だって、母は……」

レシエ「詳細は知らされてはおりませんが、マリーアン様は五年前の謀反が勃発するその直前までファレンシス領民に不利益が生じぬように陰ながら奔走しておられたそうです。
その結果、ファレンシス領の民は五年前とほぼ変わらぬ生活を送ることが出来ているのですよ」

ジュリア「そう、だったのですか」

 ジュリアは何も知らず、母の事を不甲斐なく思っていた自分を恥じた。
 同時に今の自身の待遇への疑問も腑に落ちた。
 五年前の謀反に加担した貴族家の者たちの殆どが悲惨な末路を辿ったと聞かされていた。にもかかわらず何故謀反の発起人の一人だった娘の自分が、何の罰も受けずにゲルブライト公爵家で丁重にもてなされ家族も同然に扱って貰えていたのか。

 ――全ては、母様のお陰だったのか。ありがとう、母様……。

レシエ「事実、ゲルブライト公爵家から派遣されたお役人様方は我々にとても良くしてくださっていました。
しかし数日前から急に人が変わったようになり、どこから連れて来るのか、ならず者や野盗共を村に招き入れこの有様となったのです……」

ジュリア「それで嘆願書をしたため公爵家の方に直々にお渡ししようとしたのですね」

 レシエは頷いた。

ジュリア「分かりました。私からも事の顛末をセドリック卿にお伝えしてみましょう。ご多忙な卿に、私の声がどこまで聞き入れられるか分かりませんが……」

レシエ「どうか、どうかよろしくお願いします。」

 レシエはジュリアに深々と頭を下げた。

レシエ「……それにしても我々も運のない。実はお役人様方の様子がおかしくなる数日前に久し振りにエイル様がここへお越しになったのです。
おかしな話ですが、公子がいらした時にこのような事態になっていればより早く事態は収まっていたかも知れませんのに……」

ジュリア「! エイル公子がここを訪ねたのですか!?」

 ジュリアがレシエに詰め寄る。

レシエ「ええ、何か調べ物のためにファレンシス領主様の邸宅に御用があると仰っておりましたが……ジュリア様?」

 ジュリアは咳払いをして引きつった表情を取り繕う。

ジュリア「失礼。レシエ殿、前言撤回します。
今日お聞きした事は必ずセドリック卿にお伝えします。暫くは不安な日々が続くでしょうが、新たな役人殿が派遣されるまではどうか耐えてください」

 ジュリアは礼儀正しくレシエに一礼をし、部屋を後にしようとした。

レシエ「ジュリア様」

 ジュリアが振り返る。

レシエ「我々ファレンシス領の民は皆、ジュリア様が成人し領主様として戻って来てくださることを待ち望んでいます」

 レシエの言葉に彼女の使用人も、ケヴィンも、エミーナも頷いた。
 彼らの眼差しにジュリアの目頭が、仄かに熱くなった。
名無しお母さん - Re: 残滓編 第1話 2021/01/24 (Sun) 05:42:45
■エピローグ2

■セイシェル皇国 ファレンシス領内 背景<村>

アビゲイル「ジュリア様、ただいま戻りました」

 アビゲイルの操る天馬が滑空しジュリアの前に降り立った。

ジュリア「ありがとうございます、アビゲイル殿。首尾は如何ほどでしたか?」

アビゲイル「堅苦しいですねー、ジュリア様はあたしの雇い主なんですからもっと砕けた物言いで良いんですよ?
……ま、それはそうと。件の魔道士の追跡は無事成功しました。身なりからしてもこの村に派遣されていた役人の頭がアイツで間違いないでしょう。
でも入っていった場所がねえ……」

ジュリア「どこに行ったのです?」

アビゲイル「ファレンシス家邸宅。つまり、ジュリア様のご実家です」

ジュリア「!? 馬鹿な! 我が家の門戸は厳重に封鎖され、鍵だってゲルブライト家の方だけしか触れられない筈なのに……」

 ジュリアはレシエの言葉を思い出した。

ジュリア「……エイル公子が、数日前に……調べ物のために訪れたって……」

 確証は全くない。しかしエイルと役人の動向がジュリアの胸の内で繋がったような気がした。

ジュリア「……アビゲイル。もう一つ頼まれ事を聞いてくれますか?」

アビゲイル「あたしに出来る事ならなんなりと」

ジュリア「ゲルブライト公爵家のセドリック卿とダリア公女に書簡を届けて欲しいのです。早急に。緊急の内容だと付け加えて」

アビゲイル「それはお安い御用ですが、紙とペンはお持ちで?」

ジュリア「……。レシエ殿にお借りしてきましょう。暫しお待ちください」

 急ぎ足でレシエの元へ戻るジュリアにアビゲイルは「はい」と笑って返した。

■セイシェル皇国 背景<ゲルブライト邸宅内>

「ジュリア! ジュリア!!」

 流行の華やかな貴族の装束を纏った男装の麗人が、その衣装に似つかわしくない程に銀の髪を振り乱して邸宅内を駆けまわっていた。
 長い銀糸の髪をリボンで束ね焦燥の表情を滲ませる麗人の名はダリア・セオドア・ゲルブライト。公子エイルの妹姫であった。
 その容姿は若かりし頃のエイルと瓜二つと言っても過言ではない。

ダリア「見つかったかい?」

 同じく邸宅内を慌ただしく動き回るジュリアの侍女や手の空いた兵士を掴まえてダリアは尋ねる。双方とも首を横に振った。

侍女「お屋敷内もお庭も、くまなく探したのですが、どこにも……」

兵士「姫様がよく通っていらした湖畔や村の週辺も見て参りましたが見つかりませんでした」

 ダリアはそうか、と呟きうなだれた。

ダリア「ああ……どこに行ってしまったんだ! ジュリア!」

「随分と賑やかだな」

 声の方をジュリアは見た。褐色の肌の貴人が半ばからかうように言いダリアのもとにやってきた。

ダリア「これはレイス、公子。……ごきげんよう」

 ダリアは言葉に詰まりながらも一礼をする。レイスは止せ、と首を横に振る。

レイス「らしくない事はするな」

 ダリアはふん、と鼻を鳴らした。

ダリア「快く思っていない相手にも一応、礼は尽くさねばなるまい。
……それより、君はジュリアを見かけなかったか? 朝散歩に行くと侍女に告げて出掛けたきり戻らないんだ」

レイス「アイツも羽目を外したい年頃だ。サボりだろうさ」

ダリア「君と一緒にしないでくれ。今まで稽古や座学の時間に遅れた事がない子だ。だから何かあったのではないかと心配で……。
どうせ暇なんだろう? 一緒に探してくれ」

レイス「あのな。暇だったらわざわざこんな時に他家に来ねえだろ」

「ダリア様!」

 誰かがまた慌ただしくダリアのもとへ駆け寄って来た。邸宅の門を守る番兵の一人だった。

番兵「セドリック様とダリア様宛に書簡を三通お預かりいたしました」

ダリア「ご苦労。一通目は……トリゴの村から……ファレンシス領地の村だな……。もう二通は……」

 封筒に押された封蝋の印を見てダリアは目を見開いた。
 蝶の紋様。それはファレンシス家の家紋であった。
 その家紋をあしらった指輪を印章を持つ者は今ではたった一人。ジュリア以外にはいなかった。

ダリア「この手紙は誰が持ってきたのだ?」

番兵「天馬騎士の女でした。恐らくはトーヴェの天翔ける傭兵団の一人かと思われます」

ダリア「引き留めてあるだろうな?」

番兵「は。しかし、かなり急いでいる様子でしたので何かお声を掛けるのであれば急ぎませんと」

レイス「その女の所には俺が行って礼を伝えておく」

ダリア「ジュリアの事もファレンシス領の事も、君には関係のないことだ。私が行こう」

レイス「卿とお前宛に来た二通の書簡と、トリゴの村から届いた分と合わせて読んだ方が良いんじゃねえか?
ジュリアにとって縁の深い村からとジュリア本人から同時に書簡が届いたんだ。どちら共にも何かあったのかも知れん」

 ダリアは言葉を詰まらせる。

レイス「その女騎士には俺から礼を言っておく。お前はセドリック卿にそいつをさっさと届けろ。
身内の事は心配かも知れんが俺たちは民衆の声を最優先に聞かねばならん立場だ。まあ、俺に言われずとも解っているだろうがな」

 レイスは含み笑いをして言った。ダリアは微かに顔を赤くして早足でゲルブライト家当主のもとへ向かったのだった。

レイス「……さて、どうなることやら、な」

 レイスもまた、早足で天馬騎士――アビゲイルのもとへと向かった。

◇◆◇◆◇◆◇◆
お久しぶりです。何年もお待たせして大変申し訳ありませんでした…。
疲労困憊気味ですが、なんとか投稿できました。赤ちゃんかわいいけど怖い( ;∀;)
走り抜けれるところまで走りますので今後ともよろしくお願いします。

ジュリアはこんな感じのキャラです、という紹介も兼ねた開幕になりました。
色々「おや?」と思う部分があったかもですが、次回も楽しみにしてくれると嬉しいです。
概ね残滓編の流れは決まってるんですが、無い知恵絞って?w?手探りしながら書いていってるので、ちょっとずづ書き足したり書き直したりする事になると思いますが、その辺もよろしくお願いします。

登場人物の設定等は後日また書きます。
皆さん体調に気を付けて2021年も頑張っていきましょう。
今年もよろしくです。
mm - Re: 残滓編 第1話 2021/01/27 (Wed) 02:51:45
ざ、残滓編だああああああ!!!!?!?!?!??!?!?!?!??!うわああああああやったああああああああ!!!!!!
待っていました。ずっと、待ってました。
この為に生きてきたまであります。いえ、マジで。


>アビゲイルさん29歳!
天馬のトリニティちゃんまで……頼もしい、頼もしすぎるよぉ…
私の脳内設定では傭兵として連合軍側で大戦に参加し、エイルたちとは別の所で戦ってた人だ!

なんか貫禄が出て気障になったね。お父さん、嬉しいよ。
この女、セイシェル貴族の扱いに慣れてやがるぜ…
そして変わってない…やべえ、涙が出てきた…

かっこいいなあ。さすがマクダレーナの危険性を早々に見抜いた女…
タイミングが良すぎる…タイミングが良すぎる。いったい誰の差し金だお前。
そっと突き返す。

砕けた物言いを要求するの、そういう、そういう。君はマルギットと共に戦った…そう、かつて戦ったのだ…

このタイミングでの天使発言!一瞬ラニアから這い出してきた天使かと思うじゃないですかー!
というかもうすぐガチの天使に会いそうなんですが。


>ジュリアアアアアアアアアアア!
そして、少女は初陣を終えた…。勇敢で、良き心を持っている。強き思いも持っている。実に良い…

なぜか王子様感ありますね、この公女。初々しくてかわいい。

少しづつ、ほんの少しづつでも、いろいろな事を知っていく物語なんやなって…

レアと早く会わせたい!でも仮にこの段階で出会ったとしたら本当に話がこじれるだけだ。
どうですか(?)使徒編以前のレアだと本物の大事故が起きますよ!(自分で自分が分からない、何を言っているんだ…)

>ケヴィン君!
良き民だ…



>エイル
大人になったなア。良くも悪くも。ちょっとティーン要素入ってない?君。
一回立ち直ろうとした心が、折れてしまったんだな…でも、しょうがないよね…

黒鉄の義手!?まさか、それまさかアムナーフォじゃねえよな!?
何やこのくたびれたイケメン!くたびれたイケメン!!!!!
お母さんを悲しませてるんじゃないよ!おまえ!



>レイス、悲しくも美しい友情…
やっぱりレイスは、何かを知っているんでしょうね……


>ダリア
いつの間にかレイスとも気やすい仲になって…
ところであなたたち兄妹のミドルネーム初めて聞いたんですが。


>混沌の残滓!混沌の残滓じゃないか!
汚染されておる、兵士が深く汚染されているよう…
ラニアの賊どもよりもより深く…
兵士の発している言葉、もしや海底都市の言葉だったりするのか…?
なんて恐ろしい…これが人を侵蝕する悪意。混沌を

あんみつ - Re: 残滓編 第1話 2021/01/28 (Thu) 01:37:53
お疲れ様です、お母さん!
こちらこそあんまりな管理人ですがよろしくです……

>エイル
駄目な男の色気がある気がします。
一人だけ普通の日々には戻れない……

>ジュリア様
王子様みあって格好いい……!
シュトーレンは好物なのでしょうか。
愛馬に好物の名前つけてるのかなと思いふふふってなりました。

>アビゲイル
た、頼もしい!
いい姐さんになられた。
おいらも雇いたい。
名無しお母さん - Re: 残滓編 第1話 2021/02/03 (Wed) 22:36:14
>mmさん
お母さんの肩には、我が子の命と貴方の命も掛かっていたのか…!!
ホンマにお待たせして申し訳ない。
でも喜んでもらえて良かったです。

>アビ姉さん
私の脳内設定でも905年に別の所で戦っていました。
何なら900年のマルギットとの別れの時からずっと陰で戦っていた設定になっています。どんな戦いだったかは…まだ秘密です。
誰の差し金なんですかねえ…(すっとぼけ)
この陽気で飄々とした所は彼女の魅力ですよね。

>ジュリア
立ち居振る舞いは完全に宝塚の男役です。
見た目は女の子らしくて可愛い感じなんですが、ギャップ萌えですね(?)
本当は風花雪月のローレンツ君くらい振り切れた感じにしようかとも思ったんですが、このくらいに抑えておいて良かったです。
あとすっごくどうでも良い話なんですが、私は風花雪月の中でローレンツ君が一番好きです。
色々知った上で彼女がどんな行動を取っていくのか…見守っててください。

>ケヴィン
飾らないまっすぐなキャラです。
今はまだ頼りない印象かもですがきっと彼も成長していくでしょう。

>エイル
5年の間ですっかり変わってしまいました。
議会で主に戦う相手がアスレア様ですからね…ちょっと相手が悪かったというか…実際、相性も悪いでしょうしね。
あ、義手は普通の義手です。
でも銀の手の対になる武器としてアムナーフォにしても良かったかも~^^;

>レイス
エイルの良い所も悪い所も、過去も現在も何もかも受け入れ色々知った上で立ち回っています。
年月を経て主従のような関係にはなりましたが、友情は変わっていないです。

>ダリア
アンパンマンのしらたまさんをモデルにしました。キッズ世代にも親世代にも人気のキャラっぽいですね。
ミドルネームは元々設定はしてあったんですが出さないもの勿体ないので公開しました。
実はレイス(とエスナール家姉妹)には苦手意識を持っています。

>混沌の残滓
ラニアの山賊さん達よりも汚染されていますね。
一般人が汚染され過ぎて、本人の力量を超える力と知識を手に入れた結果ぶっ壊れた、という感じにしました。
言葉は多分海底都市語なのかも知れませんし、最早言葉ですらないのかも知れません。つまりはなんも考えてない!ww

★☆★

>あんみつさん
お久しぶりです。赤ちゃんはすり抜けと鬼神飛燕の一撃3のスキルを持っている事を身をもって知りました。つ、強すぎる……
私もこんな状況ですし、何年掛かるか分かりませんが、ゆるりと進軍しようではありませぬか……_:(´ཀ`」 ∠):_
がんばろ。

>エイル
病んでる男は色気がありますね。但し二次元に限りますが!w
この男はきっと何かをやってくれるに違いない!
温かく見守ってあげてください。

>ジュリア
思った以上に王子様になって書いた本人が結構ビックリしています。
ジュリアは甘党で特にシュトーレンが好物、という設定です。
彼女の名付けのセンスはペットのトイプードルにマカロンって付けるのと同じ感覚ですね。
クリスマスじゃなくても無性に食べたくなる時があるんだよなぁ…シュトーレン。

>アビ姉さん
明るくて爽やかで…いいキャラですよね。
飄々としてるけど嫌な印象を与えないところも好き。
ワシも雇いたい(切実)
mm

オムニバス異聞録【2020年エイプリル】

0 2020/04/01 (Wed) 16:47:45
何かがほんの少し違っただけで、全く違う姿を見せた事だろう。
そらは、彼の大陸のもしも。嘘を語る日この日であるのならば語る事も許されよう。
ほんの悪い冗談であると。

4つの世界の断片をここに語るとしよう。



~滅世魔竜戦線 エマギナリア~
ベルニア 大陸歴1007年

【遅すぎる目覚めは虚無へ抗する偽の女神】


生存可能域■■■■

飛び立つことのない箱舟

失われた竜の牙

万物の原初

消去された時間

虚無の海

七枚の光の環



~聖血安息見識 グノーシス~
セイシェル 大陸歴900年

【螺旋を描く善と悪は虚無の中にあってもその存在を許された】

善悪螺旋

安息の大地を築き上げたる者

災禍の大地を築き上げたる者

雪原の虎狼

混沌の審判

世界を切り裂く剣

四つに分けられた世界



~未踏原典皇座 ヘレル・ベン・サハル~
ベルターナ 大陸歴927年

【燃え尽きた大地は、飛び立つものの為に】

夜明けの先へ踏み出す命

卵殻城塞■■■■

卵核皇座■■■■

完全なる未知

犠牲と荒廃の果て

黒竜の書

反転セシ聖槍




~永劫零年蘇案 ヴァカリネ~
ヴィルサイティス --歴----年
【蘇る事も、案じることも無い】

沈める事亡き大地

案ずる事亡き空

輪廻英雄戦線

大陸延命措置

宵の明星

果てる事のない無き争い

輝くことのない七の祈り

あんみつ - Re:オムニバス異聞録【2020年エイプリル】 2020/04/03 (Fri) 16:45:41
>生存可能域■■■■
格好良い文字が入ると思いきやベルニアだけにニートっぽい言葉が入りそう。
ただ、自宅とかだと文字数合わないんだよな……

>今後
どうしよう。
>文字埋め
こういうのの予想、楽しいですよね。

>>今後
私としては、
残滓編の投稿を待ちつつ、それと並行しつつ統合編の相談。
あとは支援会話の投下、とか?
名無しお母さん - Re:オムニバス異聞録【2020年エイプリル】 2021/01/24 (Sun) 05:46:14
>>今後
支援会話埋めや新しいお話の投稿などがありましたら是非……。
mm

使徒編解説

0 2020/02/01 (Sat) 17:32:55

■キャラクター


・シャルティエル
あまりにも、あまりにも素直じゃない。



・レア
コンセプトは光のマクダレーナ
人外系ヒロイン。何なんだお前は。あまりに自由過ぎる。


レアゾンは強烈な感情を抱いた人間を模倣する性能の持ち主である。
元々レアゾンは固有の人格を持たず、模倣した人間の人格をなぞるだけの存在である。
模倣をやめた場合元の人格がない状態に戻る。
が、リセットを逃れた残滓のような意思はレアゾンに影響を与え何時しか
「自分自身で世界を味わいたい」という意志のようなものを発現させるに至った。
それでもそのままであれば特に何の問題もなかったのですが、

マクダレーナという元人間を模倣した事で壊れ、本来の機能を損なった事で奇跡的に固有の人格を持ちました。
結果レアゾンの抱いていた「自分自身で世界を味わいたい」という願いは達成されました。

そして人間とは違った価値観を持つため、自分の命に関する価値観が人間とは異なる。
記憶を失ったのは記憶ではなく、記録といった方が正しく、自意識を持った状態で記録を引き出す。
その為レアゾンである自覚を取り戻した後は普通に記録へのアクセスが可能となっている。

ちなみにシャルティエルに興味を持ったのはマクダレーナの記録に影響を受けていたため。



・ムサシ
すごい使いやすい。
オーキスと共にラニアにやってきて、そのままエクウェスに所属。
オーキス団の面々は基本的にエクウェスとして諜報活動を主に行っています。
シャルティエルを放っておくことができずなんやかんやついてきてくれるいい人。


・コメット
書いてて楽しいです。


・アリナレイド
そんな人もいるよね。


・フェードル
彼はまごう事なき英雄ではあるが、組織の長には向かない。


・アレックス
兄貴より兄くん呼びの方が好き。


・シェリカ
説明役として便利。人当たりが本編より多少良くなっている。
エクウェスに所属していると研究資金があふれてくるので居心地自体はよい。



・オーキス
ベルターナからのスパイ。
ラニアの現状の調査、マクダレーナ教団の調査、人器の捜索等が主な仕事である。
また、ベルターナはパーシュパタ建造の関係上大っぴらに人員を割くことができない。

レアを諦めないシャルティエルに諦めるように促したりする…という没ネタがあるが。
まあ、そこまでかかわりがないので…


・メルツェル
セイシェルから密かにラニアの現状を探るため命を受けて、エクウェスに所属。
セイシェルに留まるルートでも、旅に出たルートでも矛盾自体は生じないが。
セイシェルに留まった場合はモンテーロの副官になっているという設定であるため、考えようによってはおかしい。
なお、フローレに対する態度は、彼女にマルギットとの共通点を見出したため。


・モンテーロ
セイシェル将軍ラニア復興支援部隊隊長。
法皇アナスタシアの勅命で動いていたりするので

ラニアの大冬に関して、思うところはメルツェルと共に多い。


・フローレ
きっと彼女は、カーティスの意志を継ぎ、トリフォニアをより良い道へ導く事だろう。

・ディルカ
エクウェスの長。
フォルトゥナ王への


・トリーシャ
ごめんなさい登場させるタイミングを間違えました。
2章辺りで出してエクウェス勢の登場を5章辺りにしていれば

レアとWヒロインに出来たんですが…


もしカーティスの策に乗るだけであればそれは演者が変わっただけで前王とマクダレーナノ関係とどう変わりがあるのだろうか?


・アンディ
序盤のライバル。人間でありながらミケイルに心酔し、その全てを捧げると誓った使徒。
自分の意志で動き始めたシャルとレアに敗れた、という設定です。


・カーティス
黒幕
本編中でも言及したが、ただトリフォニアに王位を継がせるだけならばもっと穏便にやればよい。
ラニアにマクダレーナを倒した英雄を作り上げるという最早妄執ともいえる信念の為である。


・ガリアント
彼女の願いは同胞の幸せと、生存である。


・ミケイル
終盤のライバル。
マクダレーナをラニアの王として復活させる事を宣誓するよくわからない人。
ちなみに彼の行動はマクダレーナ本人にとっては全くもって余計なお世話である。ラニアの玉座とかいらんし。
カーティスに乗せられた結果がこれである。彼が真面目に計画すればもっと静かなものになったはずである。

なんにせよ重要なのはアポストルである彼が己自身の意志で行動した事実である。


■シナリオ解説

・1章

-マクダレーナにトラウマを持ってるシャル
そのまま。まあ、それはそれとして何だかイケメンになっている。


-右腕を印象付ける事

どんな形になってもその手を掴むこと。

ちなみに実はレアは自分の正体を探るためマクダレーナ教団と接触するためにラニアまでやってきた。その場のノリでついてきただけです。
その為もしシャルティエルとこのタイミングで出会わなかった場合、ものすごく普通にマクダレーナになります。




・2章
-ものまね
レアの本質や、最終的な落としどころにつながる伏線。

-とにかく面の皮が厚いレア
こいつはこういう奴。

-エクウェス
フェードルはチート

・3章

-シャル達の立場
エクウェスにとっては、レアを監視下に置きたい。
レアがなんとなくシャルと共にいることを選択した為エクウェスから得られる特権を一部入手する形となった。
ちなみにこれを知ったシャルは不機嫌になった。

-コメット
書いてて楽しい。アイツシューターの事になると急に早口になるよな。

-カーティス
彼の言葉はおおむね本音である。


・4章

-ビコード山賊団
混沌の残滓にビコードが汚染されたことによりやり方が狡猾となり勢力も伸ばし、目下の問題となっていた。
ちなみに教団側から一定の支援を受けていた。
彼らが壊滅したことによって教団側への追及も本格化した。


-レア
混沌の残滓に触れた事で、かつての記録が再生された。
そして、混沌の残滓の中のソフィアに気付き始めている。

今が楽しい。そして夢のようなものであるという事に気付き始めた。


・5章
-トリフォニア王女回
設定の開示を行っただけになってしまった。


・6章
-トリーシャ
シナリオの都合の被害者。普通に考えれば教団襲撃に同行するのが筋である。
このタイミングは王都に残ってもらわないとあまりにもユニットとして使用できる機会が少なすぎたり
レアに対して思い入れが存在しないと、特にどうという事なくレア倒せてしまうのは色々問題。

知らないものはどうしようもないので。
復活しようとしているマクダレーナを倒さない理由はない。またシャルはシャルでそのあたりの事を説明しない。

-シャル
少し成長してきたが…


-フローレ
ついに直接といつ得る事にした模様。結果的についてきたメルツェルと共にカーティスの意図をすべて知る事になった。
メンタルはガタガタ。


-別れ
基本的にレアはシャルの事が好き。ここでほぼ自分がなんであるか理解した。
それでもシャルを守ろうとした。

・7章

-天使
女神の直系の力で残留

-コメット
書いてて楽しい。
ちなみに所長は没キャラ。シューター担当だったがありがたい事にコメットをいただいたため没に。
せっかくなので出しました。

・8章

副題はそれぞれのメインテーマ

-chapter-1
ラニアの決着を描いている。


-chapter-2
ミケイルの旅の果て。


-chapter-3-1
シャルティエルの答え。
ちなみにBルートへ行った場合、シャルはレアにまんまと騙されていることになる。

特殊能力の関係上アガートラムはエンティクスに強く、エンティクスはアン・フォーリンスに弱い。


-chapter-3-2
グランドフィナーレ
最後の最後に全員で集まってラスボスを殴りたい。其れ以上でもそれ以下でもない。




・エンディング
どちらも等しく、彼らは答えを得ている。
統合編につなげる場合Aルートだったことにしておいてください。


■用語集

・エクウェス
創設者は表向きは新大臣、発案者はカーティス。
ラニアの復興のためかつての戦争およびマクダレーナ戦で活躍した者たちをラニア一か所に集める運用する事を目的としている。
所属はラニアギルドの一部という事になっている。所属している人間は精鋭ぞろいであり優秀活ラニア復興に対する熱意であれば入ることは難しくはない。

※ラニアのギルドは私の解釈では国営またトリフォニアに仕える事を前提として作られている節がある。


・アネラダガム
マクダレーナ教団。
教祖はミケイル
資金提供および拠点の提供はカーティスが行っている。
人員は主にアポストル、かつてマクダレーナに協力していいた者達、よりどころの無い者達などで構成されている。

実は表面上は穏健派な組織。ただマクダレーナを信仰しているのがアウトなだけである。
混沌の残滓の解呪を行っていたり



・混沌の残滓
異形なる存在より涙となって降り注ぐマクダレーナの力の残滓。
※ヴェルザンディ887に登場した【影】を参考にしている

マクダレーナが紋章を用いて作り出した
異形なる存在内部に存在するソフィアの影響を受け変質し、異形なる存在から涙として地上に降り注ぐ。
汚染されその影響を受けた者は精神汚染を発生させ「マクダレーナ」の知識と力の一部を発現させる。
だが、精神汚染によって狂暴性が増す事が確認されており、知性が上昇する事により、唐突に一定の規模の事件が発生している為が各国では確実に危険視されている。

汚染されるか否かには個人差があり精神性によって左右されるとされる。現状発症した場合多かれ少なかれ正気を失うとされている。
また、一定以上適合した場合その単純に人間の力となる事もあり得るのではないか?とも言われている。

高濃度の光魔法を用いた解呪法も存在する。がコストや時間を考えるとおいそれと行うことも出来ない。
なお、サルンガであれば一瞬で解呪可能。

アポストルたちはその出自から幅の広い使い方をすることができる。


・女神の直系
女神リエルの直系。黒竜と同じく特別な力を持つ人間。
リエルとヴィルサイティスの決定を覆すことのできる人間。


・人器
海底都市の魔術師が作り上げた人間にしか使えない力。
戦争以前にヴィルサイティスに流れ着き竜王と女神によって回収・封印された。
天使によって守られており、ほぼ伝承も伝わっていない。


・アポストル
主を失った使徒。基本的にはミケイルに従っている。
彼らが混沌の残滓に詳しいのはマクダレーナから作られた存在であり基礎的な知識として与えられた知識に、


・残滓の魔物
アポストルが所有していた知識を使い混沌の残滓を魔物の形として形成した物。
マクダレーナ由来の知識を持つものならば誰でも可能かもしれない


・術式マクダレーナ
レアゾンの強い感情を用いた人間を模倣する能力によりマクダレーナを模倣した結果
マクダレーナの人格を対応していないソフトで再現しているイメージ。
起動したところで何の意味もなく、一定の破壊をもたらすだろうがその後器を自壊させる事だろう。

術式マクダレーナは不完全であるため不完全性を補うため混沌の残滓を用いて無理やり起動させている。

また、アガートラムは術式マクダレーナの制御術式である。
救世石を用いて術式マクダレーナを保存し、器にかかる負担を減らすことによって活動時間を飛躍的に上昇させた。



あんみつ - Re:使徒編解説 2020/02/04 (Tue) 23:09:51
連載お疲れ様です。
レアは(欲がないとはまた違うけれど)味わって味わい尽くして最後までしゃぶり尽くしてやろうみたいなのないんですね。
もちえなかったものを得られて、しかも恩返しまでできたら上々と思っているみたいけど。
シャルが最後素直になってのプロポーズ(違)はやっぱ好きです。

>コメット書いてて楽しい
やったぜ。

>ガリアントの願いは同胞の幸せと、生存
ミケイルだけではなく同胞の幸せと生存が願い?
……彼女こそ天使ではなかろうか。

>ミケイルの行動はマクダレーナ本人にとっては全くもって余計なお世話
ホントのマクダレーナは今多分(生まれてからで一番)幸せやろしなぁ……
本当に復活してたら酷いことになりそうでしたね……
術式マクダレーナはマクダレーナではないし、本当の意味で彼が救われたか少し疑問でもある。
(復活した直後にシャルに倒されるとかが彼にとっての最高のシナリオかもしれない)
mm - Re: 使徒編解説 2020/03/03 (Tue) 01:01:26
>レア
なんやかんやアポストルの同胞の事も大事も大事に思ってますからねえ。
全方位に義理を通すと愛ゆえに自分自身と命を捨てる事になるんですよねえ…

“レアゾン”としては完結しているので。シャルがプロポーズしないと自分が存続するほどの理由を自身に見いだせないあたり。
それでようやく、レアになる。

>ミケイル
結局のところ求めた物がマクダレーナな時点、使徒編でやった手段では求めた物は手に入らないんですよね。

次元の壁を超えてマクダレーナ本人の所に認知(語弊アリ)を迫るぐらいやらないとハッピーエンドはないです。。

>ガリアント
そうだよ
マジ天使

>今後
どう、します…?
mm

使徒編 エンディング

0 2020/01/25 (Sat) 16:50:32
これにて使徒編、完結となります。今までお付き合い本当にありがとうございました。
今後の事についてはまた話し合いましょう。

それでは、ラニアのその後の物語もう少しお付き合いいただけますよう。
mm - Re:使徒編 エンディングA 2020/01/25 (Sat) 16:51:27
■Aルートエンディング
旅をする者

・アポストルのその後

ラニア城内のどこか。ミケイルは最早体を起こすだけの力もない。ほんの数刻後、マクダレーナによって創造された躯体は塵と消える。
「マクダレーナ、様」

それが無理だと知っていても、ただマクダレーナに愛してほしかった。
それが「そのように作られたから」ではなく、自分の意思だと気付くのが遅すぎた。
マクダレーナを復活させようとした者の物語は最早、終わったのだ。
「………」

 そんな彼の前にいつの間にか傍らにたたずむ者がいた。
「ガリアント?」
 彼女はもはや動かぬミケイルの右腕を握る。
「ミ、ケイ、ル」
 ミケイルにはそれがとてつもない奇跡に思えた。
自分のように自分の意志で考え、マクダレーナの意思を柔軟に遂行するために偽りの心を持たされた己とは異なり、戦闘、殲滅、破壊を無慈悲に遂行するためだけに作られ、意思など持つはずもない彼女が、言葉を発したことを。

「―――」
マクダレーナの為でなく初めて自分の為に。母と言える存在を取り戻すために。
それがたとえマクダレーナ意思のそぐわなかったとしても。

自分の意思で必死にあがいた彼へのただ一つの報酬。それがガリアントの言葉。

「くそ……」
結果はどうあれそれでいい、と。納得できた、満足できてしまった事へ悪態をつく。
最後にどこか満足した心。それだけを胸に刻んで――

――そして、本当の願いをまた一つ取りこぼした一人だけが、その場に残されていた。



・ラニア


トリーシャ「大臣、貴方はカーティス王の命令で動いていましたね?エクウェスを組織し、王に対する反抗勢力をまとめ上げていた。それは全て」

新大臣「……ええ。言い逃れは致しません。カーティス様の意志です。カーティス様はこの国を執念ともいえる思いで必死に守ってこられた。己の全てをかけてより良い国へ導くため自ら捨て石になっても良いと。私は、その思いに答えたかったのです。」

ディルカ「……」

フローレ「……」

トリーシャ「もし誰かの思惑に乗るだけだとしたら、それはお父様と変わらない」

トリーシャ「もし狡猾に何者であろうとも利用し自らの命すら差し出すのなら、それはカーティスとは変わりない」

トリーシャ「大きな力に縋るしかなかったお父様、命を賭し手段を択ばず次に託したカーティス。私はそのどちらでもないのですから」

新大臣「無論ですとも」

トリーシャ「民たちにも、カーティスのやった事の真実を伝えたいと思うのです」

新大臣「それは…」

フローレ「貴女は、お父様が命をとしてやった事を台無しにするつもり?」

トリーシャ「かつて、カーティスはベルターナ進行に際して嘘をついてまで民を先導した。曲がりなりにもカーティスは本当の事を民に話しました。私がそれすらできずどうするのです」

フローレ「……」

トリーシャ「これからの困難に向かうために、大臣にも、フローレにも、ディルカにも。私は一人ではこれからも力を貸してほしいのです。どうかお願いしたい」

新大臣「許されるのであれば、もちろん」

フローレ「貴女が、間違いを犯さないように。隣で見ておいてあげる」

ディルカ「もちろん。フォルトゥナ様の恩に報いるため。トリフォニア様、貴女と共に戦いましょう」


・セイシェル

モンテーロ「マルギット様。我々は、貴女のやり残したことを…ラニアの大冬の傷跡を少しは癒すことができたでしょうか」

メルツェル「よ、モンテーロ」

モンテーロ「メルツェルか?」

メルツェル「大したことじゃねえよ。俺の行き先の話だ」

モンテーロ「……アステルを追うのだな?」

メルツェル「ああ、ベルターナに渡すわけにはいかねえだろ?これは大陸の今後を決める大きな点になる。後の事は任せたぜ」

・ベルターナ

レク「お嬢様…いえ、皇帝陛下の名代としてオーキスさん、貴方に感謝を。思った以上に働いてくれました。ベルターナは現状表立って行動を起こす訳にはいきませんでしたから」

オーキス「報酬が良かったからな。それに加えてエクウェスの方のから出た報酬でしばらく楽ができる。割のいい仕事だったよ。」

レク「それでも引き受けてくださってありがとうございました。引き受けてくれないかと思ってましたから」

オーキス「よせよ。俺はもうベルターナとは関係ない…。他に何かあったとすれば気の迷いだけだ。」
ムサシが飛び込んでくる。

ムサシ「すみません!ちょっとイイっすか!」

オーキス「おいムサシ」

ムサシ「レクさん!一つ頼みがあるんす!」

オーキス「悪いなレク。こいつは」

レク「いえ。話ぐらいならば」

ムサシ「人器の件っす」

レク「……話を、聞かせてもらいましょうか」


・エクウェス
シェリカ「……」

ディルカ「よう、シェリカ。どうしたそんな悩んだ顔して」

シェリカ「なんだ。ディルカか」

ディルカ「なんだって事はないだろ」

シェリカ「貴方は、ソフィアの事を覚えている?」

ディルカ「忘れるわけねえだろ」

シェリカ「私には最後の最後が理解できなかった。何故、彼女はマクダレーナの作り出した異形なる存在に適合できたのか。けれど、今回の事で論理は不明だけれど結論だけは観測できた」
ディルカ「……さっぱり分からん。」

シェリカ「とにかく、今回私は魔術的にも天才の私でも理解に時間のかかる現象を目の当たりにして、やっぱり私一人で魔道の研究を続けるだけでなく、各国の私には及ばないかもしれない天才たちにも声をかけて…
ディルカ。これからもエクウェスの助力を期待しているから」

ディルカ「おいおい、俺はエクウェスの長を続けるとは…」

シェリカ「貴方は続けるでしょう?」

ディルカ「……そうだ。続けるさ、この国の為に。陛下の忘れ形見であるトリフォニア様の為にも」

シェリカ「どうしたの?意外そうな顔して」

ディルカ「いや…シェリカに続けるのを見抜かれたのが意外だっただけだ」

シェリカ「……なにそれ」
フェードル、アレックス、フェードイン。

フェードル「そのあたりにしてやってくれないか、ディルカ。シェリカも5年前に比べれば随分と他人を意識するようになったのだ」

ディルカ「それは…いや。意外に思った時点で言い逃れが効かないか」

フェードル「シェリカ。君なりの親愛の証だとは思うが心を許した相手に魔術的研究の話をするのは、なかなか相手に理解を得られないと思うぞ?」

アレックス「兄くん、さらっとのろけるよね。」

ディルカ「………やれやれ」

シェリカ「さすが私のフェードル。嬉しいこと言うのね」

アレックス「兄くんはお前だけの物じゃないぞ!?」
言い争いを始める二人。

フェードル「それで、ディルカ。エクウェスの長よ。」

ディルカ「ああ。これでやっと、フォルトゥナ様に少しでも恩を返せた」

・仲間たち
全員揃った絵はムサシの元へ。
シャルティエル、レア、ムサシ、コメット、フローレ、トリーシャ、アリナレイドの描かれた1枚の絵:作シャルティエル。
を眺めるコメットとアリナレイド。

コメット「アリナさん。これ、いい絵だよねえ」

アリナレイド「そうですねえ。」

コメットの髪を結うアリナレイドの一枚絵。


アリナレイド「コメットさん。趣味に精を出すのはいいですがちゃんと運動はしていますか?食事はしていますか?」

コメット「君は僕のお母さんか!っていうか、趣味ってだけじゃなくてちゃんと仕事だからね!?」

アリナレイド「あ…いえ。そんな……迷惑、でしたか?」
涙目差分

コメット「そんなへこまれても困るよ!?」

アリナレイド「あ……本当に…」

コメット「ん~~~~。僕のお母さんは一人だけど…いいよ!僕の事撫でろ!それで甘やかせ!気が晴れるまで付き合うよ!」

アリナレイド「コメットさん…」


ムサシ「あ、お二人とも!」

アリナレイド「どうしたんですか?そんなに慌てて」

ムサシ「俺、これからシャルさんを追いかけるんす!何ならお二人もどうっすか!?」

コメット「え…」




ムサシ「」



・レアとシャル

家々が焼け落ち、舞い上がる黒煙が天を汚す。
炎に巻かれ逃げ惑う人々の悲鳴は、幽鬼がごとく者達によって刈り取られていく。

 顕現した混沌と地獄の中、一人の少年だけが生き残っていた。
 その少年は何を思うのだろう。誰かを助けようとしたのだろうか。それとも逃げようとしたのだろうか。
 だが、その勇気も恐怖ももはや役には立つまい。
 幽鬼たちの長である白髪の魔女が少年の前に立っているからだ。

 魔女は少年の頬に触れる。愛おしさを隠しもせず。
少年は動けない。
 魔女は嗤う。憎しみを隠しもせず。
少年は動けない。
魔女は囁く。呪いを込めて。
少年は動けない。

 けれど、少年と魔女の間に立つものがいる。彼女は魔女と同じ顔をしているけれどどうしようもなく明るくて、どうしようもなく自分勝手で、けれどその傍らにいる。
 倒れた少年へ右腕を差し出した。少年は…シャルティエルはその手を取る。

 そしてシャルティエルは目を覚ました。
「おはよう、シャル」
「……」
シャルティエルの顔を覗き込むレアが、そこにはいた。

「それで、これからどこへ行くんだっけ?」
「セイシェルでも、ベルターナでも…南の果てでもどこへでも。俺は世界を股にかける冒険者だからな」
「約束だもんね。」

レアの顔を見てふとマクダレーナを思い出す。…いまだに恐ろしくて身震いしてしまう。けれど。
「どしたの?」
「なんでもない」
 隣を歩いてくれる者がいる。それだけで、なんとなく愉快に思えるのだ。


彼等の進む先には、空に座する異形なる存在が。
彼等を追う者たちもいる。
例えば盗賊。例えば騎士。例えば天使。
さあ、物語を、続けよう。彼らの道は始まったばかりだ。


使徒編 完

mm - Re: 使徒編 エンディングB 2020/01/25 (Sat) 16:52:18
■Bルート 新たなる英雄

新たなる王を称える式典。
エクウェスの英雄たちと共に並び立つシャルティエルの一枚絵。

王族たちの式典が進む中、その一環として
「冒険者シャルティエル」
彼は女王となったトリーシャの前へ進み出て傅いた。
「シャルティエル。ラニアを復活したマクダレーナの手から救ったその功績を称え、貴方へ爵位を授けます」
シャルティエルはそれを異論なく受け入れた。

シャルティエルは二度と、マクダレーナの恐怖に彩られることはない。彼は、最後の機会に、自らの恐怖を乗り越えることができたのだから。
その奇跡に、誰が文句など付けられようか。
最早彼は、誰かの使徒なのではないのだから。

使徒編 完



mm

使徒編8章 目覚めの記憶

0 2019/11/30 (Sat) 20:45:52
使徒編最終章、投稿開始します。よろしければお付き合いください。



使途編8章 目覚めの記憶
chapter-1 王の娘

=全体MAP・オープニング=

教団の宣誓より7日。
トリフォニア王女率いる連合軍は、ついに反攻を開始した。
“マクダレーナ”との戦いの終わりは、すぐそこまで迫っていた。

大冬の終わりはすぐ、傍に。



あの時は最善を尽くした。だが、出来る事には限度があった。
それが付け入る隙になった。

次に最善を奪われた。それを止める事はできなかった。無力をどれほど嘆いたことか。
それが付け入る隙になった。

そして選択を奪われた
全くもって情けない話だ。私には力も、器も素質もなかった。

それが――付け入る隙になった。

最早私は、正しき道には戻れない。だが、次に続くものがいればこの国のための徒花と消えられる。

それが、最後の贐だ。

■オープニング1


ディルカ「この夜が明ければ、いよいよ決戦です。物資の調達、話したい相手がいるのであれば、今のうちに行っておいてください。」

トリーシャ「分かりました」

ディルカ「明日はラニアの全てがかかっているといってもいいでしょう。我々は必ず勝たなければならない。
しかし、もしもの時はセイシェルへ落ち延びてください。貴女さえいればどんな形であってもラニアは」

トリーシャ「貴方にとってはエクウェスという組織の長という立場を分不相応に感じているかもしれません。でも、貴方は今日までエクウェスの長を勤め上げ、ラニアを守ってきた。これは間違いなく貴方にしかできなかった事です。
ありがとう。ディルカ」

ディルカ「――トリフォニア様」

トリーシャ「それに、たとえどのような形になったとしてもこの国が、この国の民が笑っていられるのなら。私はそれでいいのです」

ディルカ「では、なおさら勝たなければなりませんね。明日の戦いは。……」

トリーシャ「どうか、しましたか?」

ディルカ「いや、なんでもねえ。ちょっと昔を思い出しただけだ」

トリーシャ「お父様の事ですか?…」

ディルカ「あ、っと。コホン、はい。あの方にはお世話になりしたから」

トリーシャ「そう、ですか。
私は未だにマクダレーナにいいように利用されて捨てられたお父様の事を、好きになれないのです」

■拠点会話

◆フェードルとアレックス

フェードル「―――」

アレックス「お、いたいた兄くん!精神統一中?いい酒手に入ったんだ、一緒に飲もうぜ」

フェードル「アレックスか。そうだ、昂りを抑えていた。明日はおそらくラニアにとって最も重要な一日となるだろう」

アレックス「さすがだなあ、兄くん」

フェードル「お前も昂っているのだろう。呼び方が昔に戻っている」

アレックス「叶わねえな、兄くん。俺の事なんかお見通しだもんな。
最悪この国、無くなるんだろ?」

フェードル「我らが負けても、教団やマクダレーナはどうにかなる。だがこの国の主導権は確実に他国に奪われる、らしい。そうトリフォニア王女とディルカが言っていた。」

アレックス「でもさ、正直そんな事はどうでもよくて。こんな大きな戦いに兄くん、いや兄貴と一緒にまた戦えるって事の方がうれしくて」

フェードル「嬉しい事を言ってくれるな」

アレックス「もちろん、分かってるぜ?これからは戦いの時代じゃないってのはさ。だから、なおさらなんだよ」

フェードル「生き残り、案外お前かも知れんぞ」

アレックス「強いだけじゃなくて、礼儀も正しいしさ。貴族王族相手にだって対等に話ができるとこも、ホント兄貴は」

フェードル「酒だ」

アレックス「兄貴?」

フェードル「持ってきたんだろう?兄弟二人、ラニア解放の前祝いとしよう」

アレックス「応!」

乾杯する兄弟。



■拠点買い物

鉄武器
鋼武器 
銀武器
傷薬
調合薬
特効薬
マスタープルフ
エナジーリング
ボディリング 
ブーツ


■戦闘準備画面へ



■戦闘前会話1

トリーシャ「フローレとシャルティエルは戻っていますか?」

ディルカ「いいえ。今の所戻ったという報は聞いていません。」

トリーシャ「そうですか」





演説:トリーシャ

「エクウェス、ラニア軍、セイシェル復興部隊の皆さん。ここに集ってくれた事への感謝を」

「私一人ではここまで来れなかった。そして、これからも多くの人の力を借りていくと思います」

「ラニアはこれまで多くの大きな苦難に見舞われてきました。…何か大きなものに縋りたくなる事だってある事も」

「けれど、私は、旅の中で知りました。その中でラニアは王も、貴族も、平民も、傭兵も弱き者など一人もいなかった」

「統治する力と作物を作る力は全く違う物であり、また、双方が双方を生かす関係なのです。縋るのではなく支えあうのだと。だから私たちは上も下もない」

「今度こそ、ラニアという国からマクダレーナによって奪われたものを取り戻します。その為に私の力を皆に預ける。ですから、皆の力を私に預けてください!」




■戦闘前会話2
城門
ミケイル「くくく。マクダレーナ様復活は、闘争と勝利こそふさわしい!」

カーティス、城内より出現。ミケイルに隣接。
ミケイル「どうしたカーティス」

カーティス「城門の守りは私と配下が受けもとう。貴様は復活するマクダレーナ様の元にいるがいい」

ミケイル「いいのか?マクダレーナ様復活の瞬間に立ち会うことのできる栄誉を賜る機会だぞ。人間」

カーティス「構わぬよ。その瞬間に立ち会いたいのは貴様あろう?
それに私とて一度はこの国の王となった意地がある。勝利は私が受けもとう」

ミケイル「ふ、ふははは。ははははは!」

ミケイル、ワープして消える。


トリーシャ軍、城の前に展開。

カーティス「来たか、小娘。貴様らを倒せば、ようやくこの国をマクダレーナ様に捧げることができる」


トリーシャ「カーティス…!」

ディルカ「トリフォニア様…」

トリーシャ「とにかく、カーティスとは一度話してみます。なぜ、あの人が変わってしまったのかそれを、フォルトゥナ前王の娘として問いただすべき事でしょう」

■戦闘

ディルカ、フェードル、アレックス、シェリカ、オーキス、モンテーロ、トリーシャ、フローレ、加入




勝利条件:城門制圧
敗北条件:トリーシャの死亡
敵:アポストル

敵兵省略
アポストル、ラニア兵、残滓の魔物




カーティス
レベル:20
 クラス:ジェネラル
 持ち物:勇者の剣 スレンドスピア 銀の斧
武器レベル:槍A 剣A 斧A
スキル:大盾
 HP:50 力:16 魔力:1 速さ:12 技:15 守備:16 幸運:3 魔防:12 体格:14 移動:5
地形効果:城門


◆敵増援
省略


■攻略情報
最終決戦パート1

操作ユニットはディルカ、フェードル、アレックス、シェリカ、オーキス、モンテーロ、トリーシャである。

ユニットの構成が大幅に変化しているため注意するべし。ただしいずれも強力なユニットであることに間違いがない。

7ターン目にフローレが参戦する。
制圧自体はそこそこ容易。

■7ターン目
城内より、フローレが出現。青ユニットとして操作可能になる。

フローレ「間に、会った」




■ボス初戦時

◆通常会話
カーティス「マクダレーナがこの国を治めていた時、この国はラニアの大冬を過ぎて最も平和だった事を忘れたか!即ち最善は、血統も家柄も関係がない!強大な力を持つものが圧倒的な力を持って統治するしかない!これがなぜ分からん!」


◆ボス特定会話
 
・フェードル

フェードル「カーティス王」

カーティス「ラニアの皇帝か。その名、相変わらず貴様は我らの苦心をあざ笑うかの如く不遜な称号だな。国など役に立たぬと、貴様はそう言いたいわけか」

フェードル「私にそのようなつもりはありません。私の誓った忠誠は、国の自由と平和へ誓ったもの。王に間違いがあるというのなら進言申し上げるのもまた、当然の事」

カーティス「戯言を!一介の傭兵ごときが国を動かせると思うな」


・ディルカ
ディルカ「カーティス王!」

カーティス「ディルカか。貴様は確か前王に恩があるのだったな」

ディルカ「貴方の望む、国の治め方はこれか!?」

カーティス「国を治める者には、理念だけではない。力と器が必要だ。生憎私にはどちらもなかった。エクウェスの長でありながら、力の足りぬ貴様にならば理解できるのではないか?
故にマクダレーナが必要だった。あの力であれば国の運用に不足はない。」

ディルカ「分からない訳じゃない!けれどっ!自分に出来る事から逃れるつもりもない。貴方は違うのか!?」

カーティス「この国をマクダレーナに売り渡そうとする男にそんなものがあるとでも?」

ディルカ「いいや、あるはずだ。」

カーティス「なに?」

ディルカ「貴方はこの国が正しく導かれることを望んでいたはずだろう!今なら分かる、陛下亡きあと、最も損な役割を引き受けて。この国を何とかしたいと思ったからじゃないのか!?自分の力で出来なくても――この国にそれが足りなくても!それを作り出すことができると考えた。だからこそ、貴方はアポストルを」

カーティス「話は終わりだ。エクウェスの長、英雄ディルカよ。我らの野望を阻まんとするのならば、この私を倒していくがよい」

ディルカ「くっ」



・フローレ
カーティス「フローレ。もはや語る事はない」

フローレ「はい、お父様」


・トリーシャ

カーティス「貴様に王の資格などない。国を見捨て、野に下った貴様には」

カーティス「王の地位、貴様に明け渡すなどあり得ぬ。」

カーティス「トリフォニア、貴様がこの門を超えることはない。否!超えさせることはない」

カーティス「超えるつもりなら、マクダレーナを超えて見せるがいい」

トリーシャ「――行きます」

■ボス撃破時

カーティス「く、くくく。これで…!」



■ボス撃破時
◆通常

カーティス「…」

■エンディング

フローレ「……」
フローレ、唇をかみこぶしを硬く握りしめている。

カーティス、槍で体を支え立っている。
カーティス「なぜだ…なぜ。とどめを刺さぬ」

首を横に振るトリーシャ

トリーシャ「アポストルがあなたを脅迫、利用し操っていたのではなく。真実はその逆だったのでしょう?貴方はラニアの為に、アポストルと彼らのマクダレーナ復活を利用し、この国の為に動いた」

カーティス「なぜ、そう思う。」

トリーシャ「貴方は誰よりもラニアの事を愛していた。けれど、ラニアの大冬で手柄をお父様の事を、誰よりも悔しく思っていたのも、きっと貴方だった。


貴方であれば、
マクダレーナと貴方のつながりを否定する事も後悔する事も。
アポストルを受け入れることも、拒絶する事も。
マクダレーナを復活させる事も、それを阻止する事も。
私を殺すことも、私に国を継がせることも。
いま、起こっている現状をこんなに大きな問題にすることなんて一つもなかった。それに、あなたの行動はマクダレーナに取り込まれたにしては意欲的すぎるんです。」

カーティス「……」

トリーシャ「セイシェルのエイル様、トルケのセレン様、ヴェルザンディのリッシュ様、ベルニアのティーン様、ベルターナのアスレア様…
かつての戦争で軍を率い、マクダレーナを倒すための中核となった者たち。我々ラニアは神話の英雄を始祖とする国でありながら、そこに食い込めなかった。」

カーティス「……」

トリーシャ「かつての戦争で、ラニアという国はただ流されるままだった。」

トリーシャ「マクダレーナを倒した英雄がいないなら――、マクダレーナを倒させればいい。
私をマクダレーナ討伐の英雄とするための、あなたの戦略だったのですね」

カーティス「――良くそこまでたどり着きましたね。トリフォニア様。
アポストルに入れ知恵し、今の形に導くことは容易くはありませんでしたが、また難しくもありませんでした。アポストルは親を失った子どもと変わりない、情緒が育っておりませんでしたよ」

トリーシャ「カーティス、貴方はそんな子どもさえ利用したしたのですか」

カーティス「貴女はアポストルを排除するべきではないと?」

トリーシャ「それが、悪手である事は分かっています。マクダレーナに与した者たちとは異なり、アポストルは人間ではない。極論、排除しても何の問題もない。けれど。たとえどれだけ憎くともそれだけでいいはずがない。少なくともレアはただの人間のように見えた」

カーティス「面白い話ですな。しかし、それを決めるのは最早あなただ」

トリーシャ「貴方は、貴方の死でもって、この国を」

カーティス「その為には悪役が必要だった。しかし、いかなる理由があろうとも私は真に罪人だ。アポストルを優遇し、マクダレーナの復活を企み国家全体を巻き込んだ。お分かりですね?」

トリーシャ「それでも。……それでも!フローレはあなたに生きていてほしいと願っていた」

フローレ「……」

カーティス「……否、妻子を捨て、この国に尽くすと決めた時より。別れは済ませた筈だぞ」

フローレ「私は!ただ、お父様にこんな事で死んでほしくないのです。だから、どうか」

カーティス「……くどいっ!――っ!」

突然、闇がフローレを襲わんとする。
フローレ「っ!」

それを庇ったカーティスを闇が襲う。
カーティス「がっ!?」

ガリアント「同胞、を、よくも」
その声色は怒りに震えている。

フローレ「お父様!?」

ガリアント「報、い、を――――受け、ろ、!」
ガリアント、追撃しようとする。

フェードル「させん!」

アレックス「やらせねえ!」
アレックス、フェードルがガリアントに飛び掛かる。

ガリアント「ッ――」
ガリアント、ワープで撤退。

カーティス「が、……」

トリーシャ「カーティス!」

カーティス「トリフォニア様――どうか、この国を――
フロー、レ…お前には、苦、労を……」

フローレ「お父様…?おとう、さま」


To be continued……
あんみつ - Re:使徒編8章 目覚めの記憶 2019/12/05 (Thu) 10:05:34
投稿有難うございます!更新遅くなってすみません。

カーティス王ー
フローレが前章「捨てることでしかこの国を守れなかった男」と言ってましたね。
いくら国民を愛していても力もなく、英雄という格もない。
だが、自らが悪となることで相応しい人間を英雄にすることが出来る……代価が、大きすぎる気もします。
いずれにせよマクダレーナの影響力も残党もある状況、選択肢もないとくれば……これ以外なかったのでしょう。
フローレとしても、ツラい……
mm - Re: 使徒編8章 目覚めの記憶 2019/12/28 (Sat) 12:26:44
多分今年最後の投稿…かと。
今年は色々ありがとうございました
来年もよろしくお願いいたします。
――――――――――――――――――――


使途編8章 
chapter-2 相反する一つ


=全体MAP・オープニング=

あの日、あの時、マクダレーナ様は勝利した。
紋章を揃え、神への復讐を果たす。マクダレーナ様の悲願が叶った日だった。
同胞に一人が壊れもしたか、それは些細な事だ。

その勝利をなんの奇跡か覆された。そこまではいい。

我らは役割を終えたはずだ。だが、我らアポストルは生き残っていた。
これではダメだ。マクダレーナ様が存在しなければ、私がここにいる意味がない。
私がいるのならばマクダレーナ様がいなければならない。ならば、私はマクダレーナ様をよみがえらせよう。

我らも奇跡を求めよう。ありえぬ勝利があるのなら、あり得ぬ再会もあり得よう。
運命も、星の廻りも、我らに微笑まぬ道理はない。



その日、私は目覚めた。

我らアポストルに安息の地はない。
人間たちの怒りは妥当なものだ。
しかし、私たちは生きている。

だから、せめて、この過酷な世界に生きる同胞たちが平穏に生きていく事が出来るように。


私はその為にこの命を使いたい、


■オープニング1

ムサシ「ありがとうっス、フローレさん。抜け道、教えてもらって。ここ、王族用の抜け道っすよね?もう戦闘は始まってどうしようかって思ったっすけど、おかげで城内に行けるっす」

フローレ「気にしないで。それから私は、別行動をとらせてく貰う」

ムサシ「なんでっすか、いきなり!?」

フローレ「もう十分頭は冷えた。
望まれてないかもしれないけど、それでもカーティス王、お父様を見届けないと。せめてそれぐらいは」

メルツェル「……一人で大丈夫か?」

フローレ「大丈夫だ。もう世話を焼く必要はない」

メルツェル「そいつは何より」

シャルティエル「……そうか、頑張れよ」

フローレ「そっちもね」


■拠点会話
なし


■拠点買い物
なし


■戦闘準備画面へ

■戦闘前会話
玉座の部屋前

ムサシ「この先にレアさんが…」

シャルティエル「……」
シャルティエル、一歩前へ出る。

ムサシ「シャルさん?」

シャルティエル「いるんだろう?アポストル」

ミケイルとガリアント、スッとIN

ムサシ「こいつら!」

ガリアント「……」

ミケイル「ようやく来たか、女神の直系!貴様がここにくると確信していたとも。」

シャルティエル「アポストル……!」

ミケイル「女神の直系!貴様と私は目的は違えど共にマクダレーナ様を求める同士!
マクダレーナ様再臨をここで共に祝おうではないか!」

シャルティエル「悪いが、断る。」

ミケイル「なに?」

シャルティエル「今、俺が用があるのはレアだ。マクダレーナじゃない」

ミケイル「レアゾンにか?あの出来損ないは自らの性能を超えマクダレーナ様の器となる栄誉を得たのだ。そして自ら、マクダレーナ様の器となる事を良しとしている」

シャルティエル「……アイツがそれを、受け入れたって言うのか?」

ミケイル「そうとも。……私とてレアゾンが惜しくない訳ではない。
だが、レアゾンが固有の人格を得た事。レアゾンの殉教の旅を終え、憎しみを受け入れた事。そして貴様がここに現れた事。その三つの奇跡が起こった。
すなわち、マクダレーナ様の復活が、祝福されたものである証。ならばもはや、止まるつもりなどない」

シャルティエル「奇跡?あんなものは面倒な偶然だ。はっきり言うが忌々しくさえある。きっとお前はそんな理由がなくてもきっと止まらなかった」

ミケイル「貴様はレアゾンとの出会いを忌々しいものだと?」

シャルティエル「そうだ。出会わなければよかったさ。もし、レアに出会わなければ俺は、復讐に身をゆだねることが出来た」

ミケイル「貴様のマクダレーナ様に対する情念は一切変わっているとは思えんがな」

シャルティエル「当たり前だ。変わる理由がない」

ミケイル「レアゾンの意思も固まったといった。なぜマクダレーナ様を求めない」

シャルティエル「あいつも俺も、自分勝手なのはお互い様だ。お前は違うのか」

ミケイル「全てはマクダレーナ様の為。それが我らアポストルの唯一の存在価値、その為に作られ、その為に生きた。貴様には分らぬはずがない」

シャルティエル「―――」

ミケイル「―――意外だったな。これほどまでに意見が合わぬとは」

シャルティエル「……それに関しては同感だ」

ミケイル「ならば致し方なし。貴様の血で混沌の宴に彩を加えよう。ゆくぞ――女神の直系」

シャルティエル「決着をつけるぞ。アポストル」

シャルティエルとミケイルのいる側と、4人の仲間とガリアントの側が分断される。

ムサシ「シャルさん!」

シャルティエル「あいつの相手は俺がする。ムサシ、お前は」

ムサシ「こっちの事は心配いらないんで。こっちも意地でも勝つっす。」


――――――――――――――――――――

アリナレイド「こんな私ですが…少しは希望を持ってもいいでしょう?」

コメット「私はシューター撃てれば何でもいいけどねー。でも、出来たら勝ってね」

メルツェル「好きにやれ。見届けてやる」

ムサシ「さあ!行くっすよ。」

ガリアント「………」


■戦闘
味方ユニットが5人となる。
ムサシ、コメット、アリナレイド

勝利条件:ミケイルの撃破
敗北条件:シャルティエルの死亡
敵:アポストル、残滓の魔物



アポストル
レベル:10
 クラス:スナイパー
 持ち物:銀の弓 特効薬 
 HP:40 力:13 魔力:10 速さ:15 技:18 守備:12 幸運:5 魔防:10 体格:14 移動:6

アポストル
レベル:10
 クラス:ファルコンナイト
 持ち物:銀の槍 特効薬 
 HP:40 力:12 魔力:10 速さ:18 技:15 守備:9 幸運:5 魔防:12 体格:14 移動:6

アポストル
レベル:10
 クラス:バーサーカー
 持ち物:銀の斧 特効薬 
 HP:40 力:18 魔力:10 速さ:17 技:12 守備:8 幸運:5 魔防:6 体格:16 移動:6

アポストル
レベル:10
 クラス:勇者
 持ち物:銀の剣 特効薬 
 HP:40 力:15 魔力:10 速さ:16 技:20 守備:11 幸運:5 魔防:10 体格:14 移動:6

ヘイル×4
レベル:14
 クラス:ヘイル
 持ち物:ルナ 
HP19 力0 魔力24 技10 速さ0 守備1 幸運0 魔防1 体格15 移動6

ヴァナルガンド×4
レベル:14
 クラス:ヴァナルガンド
 持ち物:残滓の牙 レベル- 威力5 命中90 必殺0 射程1 重さ0  消耗しない/相手の守備を無視する
HP25 力8 魔力0 技12 速さ18 守備5 幸運0魔防5 体格10 移動6


ミドガルズオルム×2
レベル:15
 クラス:ミドガルズオルム
 持ち物: 
HP40 力3+12 魔力5+12 技0+12 速さ5 守備0+15 幸運0 魔防1+20 体格20 移動5
戦闘力:
:攻撃力30 命中124 攻速5 回避10 必殺0 必殺回避0 防御15 魔防21
武器
残滓のブレス レベル☆ 威力15 命中100% 必殺0 射程1 重さ0 消耗しない/相手の守備を無視する(力依存)




BOSS:ミケイル
クラス:賢者
レベル:14
HP:40 力:10 魔力:16 速さ:13 技:14 守備:15 幸運:5 魔防:15 体格9 移動:8
所持品:エンティクス

エンティクス 理☆(ミケイル専用)威力10 命中90 射程1〜2 必殺5 重さ7 回数--
ミケイルの執念が生んだ魔道書。相対する相手を制御する力を持つ。
武器レベルがS以外の武器と戦った時、相手の攻撃力を半分にして計算する。

相手方の攻撃力が40、装備者の防御力が20の場合
40-20=20÷2=10 ×
40÷2=20-20=00 〇
エンティクス:攻撃力26 命中120 攻速13 回避31 必殺12 必殺回避5 防御15 魔防15

BOSS
ガリアント
クラス ドルイド レベル14
HP40 力10 魔力21 技17 速さ15 幸運6 守備13 魔防20 体格5 移動6
闇S 杖A
所持品 アン・フォーリンス リライブ

地形効果:エンチャント・スペリオル(HPが0にならない)

アン・フォーリンス
闇A 威力9 命中95 射程1〜2 必殺0 重さ5 回数--
標的を魔力で押し潰し、特別な力を反転させる闇魔法。
戦闘時、敵の+されたステータスを-扱いにして計算する。
元の魔導書に追加する形でアップデートされている。

戦闘力
アン・フォーリンス:攻撃力30 命中132 攻速15 回避36 必殺13 必殺回避6 防御13 魔防20



◆敵増援
なし

・宝箱
マスタープルフ
5000G
勇者の斧
ライブリング

■攻略情報
シャルティエルVSミケイル
片方は
武器はアステル以外を使った場合、ダメージが通りにくいのでアステルを使用する事になるだろう。
(なお、仕様上ヴォルフバイルでもダメージは普通に通る。)
奥義と必殺が同時に出た場合、1ターンで終わる。

ガリアント他4体のアポストル及び、ヴァナルガンドは移動しない。範囲内に入った場合攻撃を開始する。
ガリアントとアポストルはHPが半分を切った場合即座に撤退する。
だが、それなりに強く不用意に手を出すのは避けた方がいいだろう。


あまり欲を出さずに、向かってくる敵だけに応戦するのが無難。
シャルティエルVSミケイルの決着を待てば問題はない。

■ボス初戦時

◆汎用
ガリアント「…………」

◆ミケイル(ゲーム中に表示されることはない)
ミケイル「全てはマクダレーナ様復活の為に!この戦いを捧げる。貴様も光栄に思うがいい」



◆ボス特定会話

◆ミケイル×シャルティエル

ミケイル「我がエンティクスの前に、貴様ら人間如きのなまくらが通用すると思うな!」

シャルティエル「どうかな?」

ミケイル「なるほど。人器か。ふ、ははは」

シャルティエル「…何がおかしい」

ミケイル「貴様はそれの価値を知らぬのか?」

シャルティエル「貴様が何を知っている」

ミケイル「やはり知らぬか。人器の政治的な価値を。貴様を倒し我が手に加えさせてもらう」




■ボス撃破時

◆ミケイル
エンディングに移行する為参照データなし。


◆ガリアント
撃破されないため参照データなし。



■エンディングノベル

武器の差はわずか。優位を破られたミケイルの動揺も早々に回復し、ほぼ互角の戦いが
長く、本当に長く。その戦いは続いていた。永遠に続くただの意地の張り合い。

いや、二人にとっては一瞬だっただろうか?幾度の刃と、幾度の術が交差する。


威力を絞った魔力弾を水平に連射し、壁際へ追いつめる。シャルティエルはアステルを盾に走りながら壁を蹴り上げ、跳躍。回避と同時にそのままミケイルへ強襲する。

ミケイルの攻撃は終わり、再度の攻撃を行う“タメ”が必要となる。突撃してくる敵を躱さない。否、躱す必要がない。
何故なら既に攻撃は終わっていたのだから。既に展開されていた…戦闘の間に壁に刻み込んでいた術式を起動し、シャルティエルへ向かって魔力の魔術の弾丸が襲い掛かった。

それを防ぐのは容易。アステルを構えて防御する。だが、問題は視界を防がれたことと
「これで終わりだ、女神の直系!」
防御の位置を見切り、今現在放つことのできうる最大の一撃をシャルティエルの心臓へ向けて叩き込む。
空中では回避はできない。視界が防がれ、絶え間なく弾丸が襲い掛かっている状況では防御の位置をずらすことも難しい。
「なっ!?」
シャルティエルは右腕で、直接その術を躊躇いなくつかみ取り、そのままそらす。

「ッ…アステル!!」
焼け焦げた右腕の痛みに耐えて、人器の名を喚ぶ。
瞬間、シャルティエルは物理法則を無視して空中で加速し、再びミケイルへ強襲する。

「ッ!」
シャルティエルは己の奥義を、尽くす。
現在を司る斧。その一撃はミケイルを守る魔術の強化を打ち砕く。

「まだだ!」
ミケイルは体勢を立て直し、再度の攻撃を試みる。
が、2撃目。着地の衝撃を利用し、ミケイルの右腕を吹き飛ばし反撃の芽を摘み致命的な隙をこじ開ける。
――開いた隙に叩き込んだ3撃目。アポストルの躰を打ち砕いた。」

「バカな……。貴様、何故だ。何故だ!?これを逃せばマクダレーナ様には、二度と!」
致命の一撃を受けてなお、ミケイルは限界を超えて崩れ落ちる事はない。
アポストルとしての使命か?それともただの機能か、ミケイルにとっては理解していない部分で致命傷に耐えていた。

「こんな奇跡は、二度とない。そんな事は分かっている……分かっているんだ」
「ならば、何故だ!?」
マクダレーナが復活する。その奇跡ともいえる機会に、
憎む者も、愛す者も。マクダレーナを何かで代替する事も、思い出とする事も、新しい意味を見出すことも、この二人にはできなかった。それは、未だ一片たりとも変わっていない。

「――俺はあいつは友だ。あいつをマクダレーナにはさせない。」
この二人に差があるとすれば、大いなる理想の前に、当たり前の事を思い出せていたか。ただ、それだけの事なのだろう。

よほどの狂人でもない限り、友や同胞は出来る事ならば犠牲にしたくはないのだから。
その答えがミケイルにどのような心象の変化をもたらしたかは分からない。

「……行けばいい。そして…そして……」
ただ、ミケイルはその身を引いた。致命的なダメージを受けた体を必死で動かし、影へと消えて行く。

「――――」
シャルティエルはただそれを見送る。そして。
ぐらりと、崩れ落ち――

「シャルさん!」
ムサシに、受け止められていた。

To be continued……



mm - Re: 使徒編8章 目覚めの記憶 2020/01/23 (Thu) 20:39:09
使途編8章 chapter-3 
その者の名を叫ぶ

統合編:マクダレーナ


=全体MAP・オープニング=

私は、ただ、自分だけの私になりたかった。誰かから写し取った仮面じゃなくてただ一人の私で、世界を見たかった。
多くの憎しみを受けた。少なくも感謝や、好意も受けた。
ただ、それだけでよかったんだ。

だから、私の正体を知って。私の願いは叶って、私の願いがかなっていたことを知った。
私は私だけにできる方法であなたの、あなた達の願いをかなえてあげる。


■オープニング1
一枚絵、扉の前でシャルティエルを支えるムサシ。

シャルティエル「行くぞ、ムサシ」

ムサシ「シャルさん、ちょっとでいいから休みましょう。そんなにボロボロじゃ」

シャルティエル「ああ。…かもな」

ムサシ「ちょっとでも傷直してからの方がいいっすからね。アリナさん、杖を」

アリナレイド「じっとしててください」
アリナレイド、シャルティエルに治療を始める。

ムサシ「シャルさん」

シャルティエル「…少し、話を聞いてくれるか?」

ムサシ「はい」
コメット「うん」

アリナレイド「…」
杖で回復しつつ。

メルツェル「……」
少し離れた場所にいる。

シャルティエル「俺はマクダレーナが憎い。けど、動けなかった」

ムサシ「だよね。もしあなたに勇気があったら前の戦争に参加して、英雄って呼ばれてるもん」

シャルティエル「…!」

ムサシ「って、レアさんなら言うでしょうね」

シャルティエル「かもな。俺はマクダレーナが怖い。その恐怖を超えることも出来なかったから、全てが終わってからしか旅に出ることができなかった。おかげで簡単じゃなくなってしまった」

ムサシ「……そっすか」



■拠点買い物
鉄武器
鋼武器
銀武器
手槍
手斧
ライトニング
シャイン
ファイアー
エルファイアー
ミィル
ライブ
リライブ
リブロー
特効薬


■オープニング2


■以下共通

■戦闘準備画面へ


■戦闘

レア?「……」
玉座に座るレア。瞳を閉じている。
髪色が夜明けのような金から、全てを否定するような白へ染まっている(5/5で混ざってる感じです)
右腕が銀の腕となっている。

シャルティエル「レア!」

レア?「――」

シャルティエル「ッ!」
その、瞳に見据えられてシャルティエルは身をすくませた。その瞳はかつて見

レア?「……レアゾンの躯体を使ってまでわたくしをここに据えた、か。ミケイルをそのように作った覚えはなかったのだけれど。あれは最早使えない、か。」

シャルティエル「――俺を、覚えているか?」

マクダレーナ?「久しぶりね。シャルティエル――ああ、なんてつまらない。
あの時のまま、翼をもがれた鳥のようにただ終わりを待って、地に伏していれば良かったのに。」

シャルティエル「………」

マクダレーナ?「何もできない自分を死ぬまで噛み締めて這いつくばってみじめに生きなさい。そうすれば、見逃してあげる。わたくしはあなたにそう言った。
立ち上がった事は褒めてあげるけど――あなた、今にも恐怖で崩れてしまいそうよ?」

シャルティエル「……うるさい。マクダレーナみたいな声、出すな」

レア?「……」

シャルティエル「レア!」

???「レア?…………ああ、それならばすでに消滅した。模倣が終われば模倣した人格など消えてなくなる。もとよりレアゾンの模倣などそんなもの」

シャルティエル「ッ!…」

???「ふふ…いい顔をしているわよ、シャルティエル」

シャルティエル「お前は…お前はマクダレーナなのか?」

???「ふふふ。ええ。我が名はマクダレーナ。
この身がレアゾンの躰に、救世石。ならば、英雄の模倣ですり潰してあげましょう。私だけではなく、彼らとの格の違いを知るといいわ」

シャルティエル「違う。違うだろ……お前は…俺は!」

勝利条件:???
敗北条件:???
敵:???

レア/レアゾン/マクダレーナ/■■■■
クラス:混沌を招く者
レベル:20
HP:65+5 力:19+5 魔力:30+5 速さ:17+5 技:20+5 守備:10+5 幸運:5+5 魔防:20+5 体格:7 移動:7
属性:闇
武器レベル:光S 理S 闇S 杖S

所持品
アガートラム
光☆(レアゾン専用) 威力12 命中80 必殺0 重さ10 射程1~2 回数-- 移動、体格を除く全てのステータス+5
ミケイルの執念によって作られた銀の右腕。救世石が埋め込まれている。

戦闘力:アガートラム
攻撃力47 命中135 回避48 防御力15 魔防25 攻速19 必殺12 必殺回避10
特記:シャルティエルとミケイルのHPを0にすることができない

スキル:無尽界恨
自分のターン開始時にHPを10回復する。
また、条件を満たさずHPが0になった場合、HPを最大値まで回復する
(解除条件:「射貫けよ銀、我らが夢想をこの胸に」を使用させる)

奥義:縛られぬは青の竜牙
不殺 竜特効 気絶状態付与 自身の状態異常の回復
発動確立(100-現在HP%)
1度使用した後使用できなくなる。


奥義:白へ還すは光の吐息
太陽 重兵騎兵特効 2回攻撃
発動確立(100-現在HP%)
「縛られぬは青の竜牙」を使用した後使用可能になる。
1度使用した後使用できなくなる。

奥義:無慈悲たる紅き竜爪
流星 竜特効 戦闘時相手の魔力を半減
発動確立(100-現在HP%)
「白へ還すは光の吐息」を使用した後使用可能になる。
1度使用した後使用できなくなる


奥義:平定せよ猛き雷
対象のHPを1にする
発動確立(100-現在HP%)
「無慈悲たる紅き竜爪」を使用した後使用可能になる。
1度使用した後使用できなくなる


奥義:射貫けよ銀、我らが夢想をこの胸に
狙撃 飛行特効 2回攻撃 サイレス付与
発動確立(100-現在HP%)
「平定せよ猛き雷」を使用した後使用可能になる。
1度使用した後使用できなくなる


◆敵増援
なし

■攻略情報
最終決戦
ボスをまともに倒すのは不可能と言ってもいい。ステータスがけた違いに高い。
乱数調整を行うぐらいしか勝ち目はないだろう。
まずは条件が達成されるまで耐えるしかない。












■ボス撃破時
◆通常
???「混沌の花は再び芽吹く、さあ再び散るまで踊りましょう?」


◆特定会話

・シャルティエル

???「“レアゾン”が“シャルティエル”に惹かれたのは、私の記憶を朧気ながらも引き継いでいたからだ」

???「マクダレーナは、気に留めていた。自身に恐怖した少年を。レアゾンがお前を気にかけていたのは己の機能に過ぎない。それでも貴様はレアゾンに執着するのか?」

シャルティエル「……」


・メルツェル

???「貴方は…どこかで見たような気がするわね」

メルツェル「覚えてねえってんなら何よりだ。それとも寝ぼけてるのか」

???「ああ、かつてマルギットに傍らにいた騎士か。主を汚され、それでも生きながらえているなんて、惨めなものね」

メルツェル「それがアイツの選んだことなら仕方ねえさ。あいつの生きた道がどんなものであろうと否定するつもりはない。出来れば俺の手で終わらせてやりたかったのも本音だが。…それよりも、お前はあいつを汚したつもりなのか?」

???「!?」

メルツェル「なに痛いところを突かれた、みてえな顔してやがる」



◆奥義

・縛られぬは青の竜牙
???「模倣術式起動。
混沌を引き裂きし星々の輝きを我ぞ知る。

宿命にあり、堕落し、立ち上がる者

その力は剣。

愛を知り、鎖を砕き、時を越えん。
その輝きは青き星。故に――縛られぬは青の竜牙」



・白く還すは光の吐息
???「模倣術式起動。
混沌を引き裂きし星々の輝きを我ぞ知る。

楽園にあり、行動し、輝く者
その力は神竜。

信じ、赦し、羽ばたかん。
その輝きは純白の星。故に――白く還すは光の吐息」


・無慈悲たる紅き竜爪
???「模倣術式起動。
混沌を引き裂きし星々の輝きを我ぞ知る。

明けの明星にして戦乙女にあり、血を流し、無慈悲たる者

その力は槍にして黒き竜。

憎悪し、敗北し、愛を知れ。
その輝きは真紅の星。故に――無慈悲たる紅き竜爪」


・平定せよ猛き雷
???「模倣術式起動。
混沌を引き裂きし星々の輝きを我ぞ知る。
荒野にあり、簒奪し、王となる者

その力は雷の斧。

紋章を踏破し、魔王を打ち砕け。
その輝きは色に例えることなかれ。故に――平定せよ猛き雷」


・射貫けよ銀、我らが夢想をこの胸に

???「模倣術式多重起動。

混沌を引き裂きし星々、その輝きや我が思い。
祖は混沌を滅する太陽の威光
聖刻にあり、失い、理想を抱く者」

ピスティス「――模倣放棄
双翼にあり、狂気し、罪を背負う者。
見果てぬ夢の結末をここに。安息へと歩を進めん。
その輝きは銀の星。終幕に向け矢を放たん。

故に――否。その孤独は尽きることなく。溢れだす涙は世界を覆う。
射貫けよ銀、我らが夢想をこの胸に――」


◆選択肢

➡攻撃
境界の跳躍
持ち物
待機

◆ボス撃破時

・通常
“マクダレーナ”「所詮は、戯れ。混沌の花は咲き誇る事はない」

・シャルティエルで撃破した場合

シャルティエル「俺の勝ちだ、マクダレーナ!」

“マクダレーナ”「わたくしを倒しても、貴様が囚われた混沌が消えるものか!
貴様は、ただわたくしへの憎しみを恐怖だけで生きてきた。それを失った貴様は生きてはいられまい」

シャルティエル「俺は、それでも」

“マクダレーナ”「私を倒しても貴様は何者にもなる事はない。シャルティエル、お前は英雄になれなかったのだから。あの時を逃した貴様には。」

シャルティエル「俺は……」

“マクダレーナ”ふと、レアの顔に戻る。
レア「シャル…もう、大丈夫。怖がらなくっていいんだよ。
私の事は気にしなくっても大丈夫。おかげで最後の最後に正気に戻れた。最後に見るのがあなたの顔でよかった。貴方は貴方のままで、良いんだから」

シャルティエル「レア……!」
一枚絵。レアを抱えるシャルティエル。

→エンディングBへ


◆「射貫けよ銀、我らが夢想をこの胸に」使用後「境界の跳躍」をレアに対して使用する。

シャルティエル「お前が、お前がそんなに簡単に消えるわけないだろレア!お前ならたとえどんな事になったとしても、意地でも残る!何度でも言う。全然似てないってな!」

レア「なにを…なにをするつもりだ!」

シャルティエル、レアに触れると同時に画面がホワイトアウト。イベントシーンへ。

どこかの草原。まるで天使が飛び立とうとするような神聖な場所。玉座で涙を流す栗毛の少女の影がそこにはある。
もう一つの影、白と金色の混じった髪のレアが、それと会話をしていた。

レア「―――やっぱり、混沌の残滓はマクダレーナじゃなかった。貴女は、そうだね」

ピスティス「■■■■■■■■」

レア「だったら、世界なんて救わなければよかったのに」

ピスティス「■■■■■■■■」

レア「私ならきっと世界は救わない。私のやりたいようにやっただろうね」

ピスティス「■■■■■■■■」

レア「ごめんね。貴女を救うのは私じゃない。代わりにもなってあげられない。
それから、私の客さんだから、貴女は少し待っててね」

シャルティエルがこの場に現れ、栗毛の少女がと玉座が姿を消す。

シャルティエル「……レア!」

レア「それで、乙女の秘密空間までやってきたシャルは。はあ……、これでほとんど私の計画ご破算じゃん。シャルってば女神の直系の力を私に使ったなあ?」

シャルティエル「おまえ、やっぱり。さっきまでのマクダレーナはやっぱり、お前のものまねだった」

レア「似てたでしょ?」

シャルティエル「………似てない!」

レア「ふふ」

シャルティエル「帰るぞ」

レア「うーん……。私としてはさ。レアとして、自分の正体を知る事も、レアゾンとしての世界を味わうことも達成しちゃったんだよね。レアゾンはただ、世界を自分自身として味わいたかった。私が私として、世界を感じた瞬間にその願いは叶っていた」

シャルティエル「どういう事だ?」

レア「それで、そのお返しにみんなの願いをかなえてあげようって思っただけなんだよねえ。アポストルは私の同胞だし。ミケイルすごく頑張ってたし。マクダレーナをラニアの玉座に据えるとかよくわからない迷走始めちゃってた訳だけど。中身が私じゃなかったら即処断だったと思うなあ。
みんながマクダレーナ、欲しがってたから。だから、こうした。シャルだって、マクダレーナ、殺したかったでしょ?」

シャルティエル「マクダレーナでも、レアゾンでもなく、レアというお前としてはどうなんだ!お前は、生きたいと思わないのか!」

レア「いや、別に?」

シャルティエル「っ…!」

レア「……多分、これが人間とアポストルの一番の違い。私たちは目的のために作られた、こうやって望みを持ったこと自体、奇跡みたいなものだったんだよ。これ以上を望まない、望めない」

レア「もう私に生きる理由ないもん。だからこれでいいと思ったんだけどね?同胞の願いも、あなたの願いも、多くの人間の望みも」

シャルティエル「俺はそんな事、望んじゃないない!」

レア「えー?ホントに?けっこう揺らいでるように見えたよ?」

シャルティエル「そんなこと関係ないだろ。だったら!俺の今の望みを叶えて見せろ!」

レア「えー?」

シャルティエル「俺は、お前に生きていてほしい」

レア「……」

シャルティエル「お前が、自分の意志で死ぬことを決めたのなら俺はその意思を全力で踏みにじってやる。レア、お前の為じゃない、俺の為に」

レア「―――残念でした。もう遅いよ。混沌の残滓を取り込んで、マクダレーナの人格…術式を起動させた時点でもうの体の崩壊は確定で、制御用のアガートラムも時間は作ってくれるけど、それだけ。だから、素直に私をマクダレーナと思いこんだまま倒してくれれば色々あと腐れなかったんだってば。」

シャルティエル「どうにも、出来ないのか?」

レア「無理、かな。ホント、台無しにしてくれたよね。シャルってば。ついでに言えばあなたはミケイルを倒したわけだし、それを理由にあなたのお願い断っても良いんだよ?」

シャルティエル「うるさい!何とかしろよ!お前、マクダレーナの力を持ってるんだろ!」

レア「ええ…。さすがにちょっと身も蓋もないよ、それ。…―――」

シャルティエル「どうした?」

レア「なんとか、出来る」

シャルティエル「はあ?」

レア「だって、私、マクダレーナにできる事なら大体できるもん。マクダレーナ制御術式、アポストル創造式、救世石。そして女神の直系の力……ほんと、なんてことしてくれるんだよ!」

シャルティエル「知るか。こっちのセリフだ」

レア「私の負け、かなあ……。死ぬ理由も、どうしようもない現実も無くなっちゃったし」

シャルティエル「帰るぞ、レア」

レア「しょうがないなー。シャルは私がいないとダメダメなのかな?」

シャルティエル「うるさい。落ち着かないだけだ。だから、生きて俺のそばにいろ」

レア「ねー、シャル」

シャルティエル「なんだ?」

レア「もっともっと、私を満足させてくれるよね?」

シャルティエル「考えとくさ」

レア「混沌の残滓を切り離して、そっちに術式マクダレーナのまずい部分を持っていってもらって、私の体を良い感じに作り変える。手伝ってね、シャル」

シャルティエル「ああ」


―――――――――――――――――――――――――

レア「でもね、シャル。正直言って、嬉しかったんだ。ここまで来てくれて。おかしいよね。むしろ来てほしくなかったのに」

レア「ねえ、天上の玉座に座る貴女。貴女にもこんな奇跡が起きてほしいって言ったら、貴方は怒る?」
mm - Re: 使徒編8章 目覚めの記憶 2020/01/23 (Thu) 20:40:55
使徒編8章 chapter3-2/2

■オープニング1
トリーシャ組が合流している。混沌がラニア王の玉座にとどまっている。

シェリカ「なにあれ。理論的に考えてひどいというか、混沌の残滓を何をどうやったらああなるの…?マクダレーナの知識?………」

トリーシャ「それで、シャルティエルはレアに対して何かを行って、それでああなったと?」

ムサシ「そっす。……とにかく今は様子を見るしかないっすね。シャルさんはあの中に入ったっきりですし…」


レアとシャルティエルが唐突にワープしてくる
レアの髪色は金と白が混ざったもののまま戻ってはいないが、その瞳はいつものレアだ。

トリーシャ「あなたは…」

ムサシ「レアさん!?元に戻ったんすね!」

レア「あー、うん。ただいま。ムサシに、トリーシャも。」

トリーシャ「レア!?無事だったという事?」

シャルティエル「……」

シェリカ「あなた達、あれはいったい何をやったの?」

レア「いろいろ言いたい事はあるだろうけど。今はあれを倒すのが先」

玉座に残っていた混沌がうごめき、一つの形を成し始める。

レア「細かい事は省くけどさ。あれは混沌の残滓を固めた物だよ。物理的に殴ればなんとかなるようにしといたから。大体は分かるでしょう?シェリカ」

シェリカ「そうか。混沌の残滓の制御自体は行えていたんだ。けれど、制御はおそらく不可能。つまり、どのみちマクダレーナの復活はあり得なかった。…どこか物悲しいわね」


■以下共通

■戦闘準備画面へ
再加入:レア
ステータスは離脱時と同じ。ロスト・アガートラムを所持している

ロスト・アガートラム 光☆(レア専用) 威力12 命中80 必殺0 重さ10 射程1~2 回数--
レアの右腕

■戦闘

コメット「撃って撃って撃ちまくる!結局やる事は変わらないわよね」

アリナレイド「この命、せめて未来のある誰かのために」

フェードル「油断をするなよ」

アレックス「俺に怖い物なんてねえぜ!」

シェリカ「混沌の残滓にアポストル…どうしようもなく興味深い」

オーキス「……」

メルツェル「さて、エクウェスとして戦うのもあと何回か。結構楽しかったぜ」

モンテーロ「マルギット様。ラニアの復興は、私が」

フローレ「お父様……私も、この国を…」

ディルカ「フォルトゥナ陛下…見ていてください」

トリーシャ「私はここで勝つ。お父様の為にも、カーティスの為にも、何よりこの国の為に」

ムサシ「天下無敵のハッピーエンド。やっぱそれが一番っすよ」

レア「もう自重する必要もないらしいから。全身全霊で好き勝手やらせてもらう」

シャルティエル「……行くぞ」

勝利条件:ピスティスの撃破
敗北条件:シャルティエル、レア、トリーシャいずれかの死亡。
敵:混沌の残滓

ミドガルズオルム×2
レベル:15
 クラス:ミドガルズオルム
 持ち物: 
HP42 力5+12 魔力5+12 技0+12 速さ6 守備0+15 幸運0 魔防1+20 体格20 移動5
戦闘力:
:攻撃力32 命中124 攻速6 回避12 必殺0 必殺回避0 防御15 魔防21
武器
残滓のブレス レベル☆ 威力15 命中100% 必殺0 射程1 重さ0 消耗しない/相手の守備を無視する(力依存)

ヘイル×4
レベル:14
 クラス:ヘイル
 持ち物:ルナ 
HP20 力0 魔力26 技10 速さ0 守備0 幸運0 魔防0 体格15 移動6

ヴァナルガンド×6
レベル:14
 クラス:ヴァナルガンド
 持ち物:残滓の牙 レベル- 威力5 命中90 必殺0 射程1 重さ0  消耗しない/相手の守備を無視する
HP30 力8 魔力0 技12 速さ18 守備6 幸運0魔防5 体格10 移動6



■■■■・ピスティス
クラス:混沌の残滓
レベル:20
HP:90 力:20 魔力:20 速さ:16 技:15 守備:15 幸運:0 魔防:15 体格:5 移動:7
武器レベル:光S 理S 闇S 杖S 剣S 槍S 斧S 弓S
属性:理

所持品
クリカラリュウ
剣☆ 威力13 命中90 必殺0 射程1-2 重さ9 耐久-- 
遠距離攻撃時、闇魔法

戦闘力:
攻撃力33/33(66/66) 命中120(60) 回避24 防御力15 魔防15 攻速12 必殺10 必殺回避0

スキル:混沌の残滓
残滓の魔物を出現させる

スキル:残滓の暴威
フィールド上に存在する敵対存在に自分のターン終了時10のダメージを与える

スキル:空の玉座に座す者
自分のHPは半分以下になると命中率が半分になり、攻撃力が2倍になる。
地形効果:


◆敵増援
1ターンに各種1体ずつ残滓の魔物が召喚される。



■攻略情報
BOSSのピスティスを倒す。
先ほどまで戦っていたレアと比べた場合、十分に勝機のある相手だ。


■ボス初戦時
ピスティス「■■■■■■!」


■ボス特定会話

VS
・フェードル
フェードル「……君は、詳しい理屈は分からないが」

・シェリカ
シェリカ「仮説としてはもちろん存在しえた。けれど、喜んだらいいのか悲しんだらいいのか。私にはわからない」

・メルツェル
メルツェル「……お前、何やってる?」

・モンテーロ
モンテーロ「貴女、なのですか?……何故…?」




■ボス撃破時
◆通常
ピスティス「■■■■■■!!!!!!」




■エンディング

使徒編・エンディングへ

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