名無しおばさん

エイル編2章 加筆修正

2017/04/13 (Thu) 18:23:17
前上げたのから、また少し修正しました
◇◆◇◆◇

■プロローグ
北の王国ラニアが誇る「ラニアの傭兵」にエイルを命を奪うよう依頼したという黒づくめの男の正体を突き止めるため、エイル・ソフィア・レイスの三人はセイシェル皇国とラニア王国を繋ぐ国境の村を目指す。
しかしその道中は穏やかな旅路とはならず、一行は何度も傭兵に命を狙われる。
心身ともに苦しい状況ではあるが、先に進まねば何も見えてこない。エイルはひたすら旅路を行くのであった……。

エイル編第2章 【暗雲に射す光明】

■セイシェル皇国領内 背景<平地>

エイル「……」

レイス「エイル。国境を超えるまで早く見積もってあと五日は掛かる。……どうだ? 平気か?」

エイル「大丈夫、とは言えないな。
……まさか私を狙う人間が、こんなにも次から次へと現れるとは思ってもみなかったよ」

 故郷を発ち、最初の戦いから七日あまり経ったが魔性の獣に襲われる回数よりも、野盗やラニアから来たと思われる傭兵達の襲撃に遭った回数の方が圧倒的に多かった。
 一日に二度の襲撃を受けた日もあった。荷物を奪われた事もある。
 その事はエイル一行を疲弊させていくのに十分過ぎる出来事だった。
 エイルは眉間に皺を寄せ自分の身を守るかのように腕を組む。顔色もあまりよくない。

ソフィア「……エイル、一晩だけでも次の村で休息しましょう? あと一刻もしない内に次の村には辿り着けるのよ? 無理して倒れてしまっては元も子もないじゃない」

 エイルは首を縦に振らない。
 レイスとソフィアが細かく気配りをしてくれてはいるものの、兵糧や薬の調達も武器の手入れも追いつかなくなってきていた。

エイル「ごめん。過ぎた事を暗く考えても仕方ないのは解っているんだけど……私が村に立ち寄った所為で無用な混乱を招くのではないかと思うと気が進まなくて」

 休息地点として選んだ村に立ち寄った時に一度だけ、件の輩に取り囲まれ襲われた事があった。撃退することは難しくなかったが、何も知らない民の生活を一瞬でも脅かしてしまった。
 その時の罪悪感が、エイルの決断力をより鈍らせていた。

レイス「何か起こったって、割り切って対処するしかねえよ。他所様に遠慮して無理に進んでたら、こっちの身がもたなくなっちまう。
それにお前、今そんな事をウジウジ悩んでラニアに入国した所で、身動き出来んのかよ」

エイル「それも解っている。レイスの言っている事は正しいよ」

レイス「そう思うんだったら動け。割り切れ」

 エイルは立ち止まり、自身のやや長く伸ばした髪の先を握り締めながら瞼をきつく閉じる。レイスもまた大きなため息を一つ吐いて腕を組み、エイルを睨みつけたまま微動だにしなくなる。
 二人が苛立ちや不満を堪えている時の、幼少の頃から治らない癖だ。ソフィアは双方を交互に見る。

ソフィア「――ねえ! 私、思うんだけど!」

 ソフィアはタイミングを見計らったかのように、明るく声を掛けた。二人は黙って彼女の方を向く。

ソフィア「体力も物資も限界なのは本当の事だもの。村に寄って支度をし直す必要はあると思うわ。
でも何も常に三人一緒に行動する事はないんじゃない? 三人いるんだもの、ここは二手に別れましょ?」

エイル「……と言うと?」

ソフィア「次の村にはレイス一人で行って貰うことにして、エイルと私は村の外で待っているの。
地図上には村の近くに大きな雑木林があったでしょ? 私たちはそこに隠れて、もし安全そうなら野営の支度をして待っているから。そうしましょう」

レイス「なんで俺が村に行くんだよ。お前の方が馬に乗ってる分足が速いんだから、行くならお前が行け」

ソフィア「私はレイスに行って欲しいのよ。それにエイルの従者の私が、エイルの傍を離れるわけにはいかないじゃない?」

レイス「なんだそりゃ。……雑木林なんかの方が敵が潜んでる可能性が高えし、お前ら二人じゃ太刀打ち出来ねえだろ。却下だ」

ソフィア「あら、そうなる前にレイスが手早く用事を済ませて戻ってくればいいのよ。ウジウジ悩んでいたら何もできなくなるんでしょ? ね、お願い!」

 ソフィアは自分の胸の前で両手を組み、小首を傾げてみせた。エイルとレイスは決まりが悪そうにお互いの顔を見合わる。
 その仕草をソフィアにされると、多少腑に落ちなくてもその言葉を聞いてしまう――これも幼少の頃から治らない二人の癖だった。

◇◆◇◆◇
2章のオープニング前半です。切り良かったんで上げました。
ソフィアは尖ってばっかりじゃない、という一面を盛り込んでみました。
妹分っぽさと三人バランス取って上手くやっている、という表現が出来たと思います。
サブタイトルちょっと変えました。タイトル考えるのは苦手です。
Pass :
あんみつ

Re: エイル編2章 加筆修正

2017/04/16 (Sun) 03:29:18
執筆お疲れ様です。
ソフィアかわいいなぁ……(*´ω`)
それぞれのキャラ描写が増えてエイルの人好しで甘い部分だったりソフィアのかわいさだったりレイスの面倒見のよさだったりソフィアのかわいさだったりが顕著になりましたね。
元々の2章ではソフィアが単独で動いてましたが、今回は果たして……

>タイトル
私も苦手です。
これがまた難しいんですよね。
とはいえ拙作の『ニコラ物語』は今考えるともうちょっとは考えろと突っ込みたくなってしまいます。
Pass :
名無しおばさん

Re: エイル編2章 加筆修正

2017/11/14 (Tue) 06:02:38
■セイシェル皇国領内 背景<森林>

レイス「……じゃあ、ちょっくら行ってくる。
もし面倒な輩が出てきたり俺が二刻半過ぎてもここに来なかったら、腹括ってエイルを連れてラニアへ向かえ。それから……」

ソフィア「了解! じゃあ、物資の調達をお願いします。”おにいさま”!」

 レイスはまだ何か言いたげだったがソフィアに言葉を遮られると、ため息を一つ吐きながらその場を後にした。
 ソフィアはレイスが立ち去っていくのを見届け、すかさず周囲を注意深く見回す。

ソフィア「……異常なし、と。……うん。ここなら人目にも付きにくいし、万が一の時にも逃げやすいわね。
エイル! ここは安全なようだし、野営の支度をする前に暫くこの木の下で休みましょう」

 ソフィアは自身の愛馬――マーガレットの鼻筋を撫でその場に座らせ、彼女の腹の傍に腰を下ろした。その隣にエイルも腰掛け、一息つく。

ソフィア「それにしてもレイスったら、人に厳しい事ばっかり言うんだから……」

エイル「いや……彼の言葉は正しい。私が悩みすぎたせいで、君たちに負担を強いる事になってしまって、本当にごめん。
……せめて私にレイスの半分ほどでも強く賢ければ、もう少し違っただろうに……我ながら情けなく思うよ。……ごめん」

ソフィア「……もう!」

 ソフィアはエイルの目の前に立ち上がり、自身の両腰に両手を当てエイルに詰め寄った。

ソフィア「最近のエイルは謝ってばっかり! 最初の頃の意気込みはどうしたの?
エイルは今よりもっと強く賢くなって、ゆくゆくはセドリックおじさまの跡を継ぐためにこの旅に臨んでいるでしょ?
セイシェル皇国の誇り高き五大貴族の一角を担う未来の公爵様が、今からそんな弱気なことでどうするの!」

 エイルは一瞬目を丸くし戸惑うかのように眉をひそめたが、ソフィアの真剣な眼差しから目を逸らさなかった。

ソフィア「迷っても悩んでもいいの。私は何があってもエイルを信じて貴方について行くわ。そしてどんな時でも私が必ず貴方を守ってみせる。
だからそんなに弱気にならないで……」

 ソフィアはそこまで言うと、段々と自分の言った言葉に気恥ずかしくなったのか、頬をみるみる紅潮させた。

ソフィア「あ、あっ、でも、でも! いくら強いと言ってもレイスみたいになっちゃダメよ?
彼はちょっと乱暴で言い過ぎたりやり過ぎたりする所があるもの。あれじゃいくら強くて正しくても人から反感を買ってしまうわ。そうよ! そう!」

エイル「ソフィア」

 頬を真っ赤に染めながらうんうんと頷いているソフィアに、エイルは小さく笑ってみせる。

エイル「ありがとう。君と話して少し頭が冷えた。
謝ってばかり、と言われたばかりけど……レイスと合流したら彼にはちゃんと謝る。
そしてこれからの事を、もっとしっかり話し合うようにするよ」


■セイシェル皇国領内 背景<村>

レイス「……ソフィアの奴、面倒な事押し付けやがって……」

 ざっと村を見て回ったが、件のラニアの傭兵と思われる輩は見当たらなかった。
 冒険者くずれの輩を何人か見かけた事が少々気がかりではあったが、そちらもレイスに危害を加えようという素振りは無さそうだ。
 レイスは安堵し、よろず屋の入口の前で隠し持っていたキセルをふかし、ささやかな休息を味わう。
 
レイス「……なんだよ」

 レイスは視線を感じ隣を見やった。
 一頭のロバがよろず屋の敷地内の柵に繋がれながら、興味深げにレイスの顔を見つめていた……ように見えたが、何とも言えぬ気まずさからか、レイスはふん、と顔を逸らす。

???「ちょっと!」

レイス「あ?」

???「出入り口の真ん前につっ立っていられたら通れないだろ。ほら、どいてどいて!」

 東方の神秘と怠惰の小国、ベルニア風の旅装束を纏った小柄な少女が、大量の荷物を抱えてレイスが動くよりも先に彼の脇をすり抜けていく。
 年の頃はソフィアと同じくらいだが、少女の横顔からは大人にも引けを取らぬ勝気さが見て取れた。
 少女の短く無造作なくせ毛は、鍛冶場の竈の中でごうごうと燃え上がる激しい深緋の炎を彷彿とさせ、その髪はレイスの視線を捉えて離さなかった。
 
???「はぁ……今回もダメだった。お店には置けないってさ」

 炎の赤髪の少女は手際よくロバの背に荷物を積みながらロバに語りかける。

???「……うん。ありがとう。
お店はここだけじゃないもんね、他も当たってみるよ。さぁ、行こう、マーガレット」

 ロバの背に積めなかった分の荷物を背負い、少女はロバを引いてその場を後にした。
 少女が何の事をロバに語りかけていたかは分からない。しかし。

レイス「あいつも”マーガレット”かよ……」

 レイスはため息混じりにささやかな休息を終え、よろず屋の扉を開けた。
◇◆◇◆◇
久しぶりに続きです。少しずつ修正もしました。
前回はソフィア単独行動でしたが今回はレイスに行ってもらいました。

シアちゃん登場です。
容姿に関する指定はなかったと記憶しているので、こちらで決めさせて貰いました。
今のところは結構可愛く書けてるのでは、と自画自賛しています。
レイスニキとのフラグが立つ予感…??

もっとコンパクトに纏めたいんですが、これがなかなか出来ない。
地の文入れると多少は仕方ないのかな。
精進します。

あとシアちゃん丸腰だったので武器考えました。
★ハンドハチェット シア専用 斧E 威力4 命中90 必殺0% 射程1~2 重さ3 耐久25 
→シアが初めて自分一人で作った、記念すべき作品第一号。
護身用なので威力と耐久性は低いが小柄な彼女でも振れるように工夫してある。
Pass :
名無しおばさん

Re: エイル編2章 加筆修正

2017/11/16 (Thu) 03:31:00
■セイシェル皇国領内 背景<店>

レイス「……すんません。ここに書いてあるヤツを一通り、お願いします」

 ぶっきらぼうにレイスはよろず屋のカウンター越しにいる店主に紙切れ――ソフィアと別れる直前に彼女から手渡された、所謂”お使いメモ”を差し出した。
 はいよ、と軽快かつ愛想良く店主がメモを受け取り、ざっとそれに目を通すとレイスの姿を一瞥した。

店主「お客さん外国の人? 旅行か何かでセイシェルに?」

レイス「……まぁ……」

 彼はセイシェルで生まれ育ったが、彼の鋭い切れ長の双眸も黒い瞳も褐色の肌も、セイシェル人のそれらとは酷くかけ離れていた。
 異国の者に見られる事は彼にとってよくある事ではあったが、レイスはこの問い掛けには決まって言葉を濁し、これ以上触れられたくないと言わんばかりに顔を背ける。
 店主もレイスの様子からそれを察したのか、愛想笑いを浮かべつつメモを見て品物を見繕っていく。

店主「……この頃この辺も物騒な連中がうろつくようになってきましたし、外を歩く時はくれぐれもお気をつけくださいね。
最近だと……この国の王子様が正騎士になるための儀式、の為だかで旅に出たらしいんですがね、どうもラニアから流れてきたならず者共にに目を付けられたようで」

 レイスは店主から顔を顔を背けながらも、ほんの一瞬眉を顰める。
 件の通過儀礼に臨んでいる「王子様」は、今年はエイル以外にいなかった。

店主「先日も王子様が立ち寄った遠くの村でラニア人と派手にドンパチやったらしいですわ。……村で生活する私どもからしたら迷惑な話ですよ。
正騎士になるためだか何だか知らないですけど、そういう儀式ってのは、もっとひっそりと出来ないものなんですかね。
……と言うか、外国人に目を付けられるような人に将来この国を任せられ」

 そこまで店主が言った所でレイスはカウンターに勢い良く拳を振り下ろした。
 木と拳がぶつかる大きな音に肩をすくめた店主は、レイスと微かに震えている彼の拳を交互に見やった。

レイス「……すんません。虫がいたもんで」

 レイスは半ば無理やり口角を上げる。

レイス「それより、これでも急ぎの旅なもんですから。ちょいと急いでくれませんか?」

 絞り出すような、何かを精一杯抑え込むような低い声で、店主に告げる。
 ……息が詰まるほどの静寂は、レイスが会計を終え店を後にするまで続いた。

◇◆◇
ちょっと短いですが投稿。クールじゃないレイスは珍しい。
レイスの外見的な特徴を追加しました(一章もその編加筆しました)
オリエンタルな顔のイメージです。
セイシェルには勿論、ヴィルサイティス全土でもあまりいない顔立ち、という事で…。
Pass :
名無しおばさん

Re:エイル編2章 加筆修正

2017/11/16 (Thu) 18:19:34
■セイシェル皇国領内 背景<村>

レイス「クソ……、つまらねえ話聞かせやがって……」

 レイスは麻袋に包まれた荷を小脇に抱えよろず屋を後にすると、大きく溜息をついた。
 普段は滅多にしない作り笑いをしたものだから、頬と広角が釣り上がって引き攣ったまま元に戻らず、一方眉間には深い皺が寄ってしまっていて、なんともちぐはぐな表情になってしまっている。
 レイスは引き攣った頬を摩りつつ、足早にこの村を立ち去ろうとした。

???「――馬鹿にするのも大概にしな! そんな取引には応じないよ!」
 
 聞き覚えのある怒号が、レイスの耳に突き刺さる。
 先ほどすれ違った赤髪の少女とロバを、これまたレイスがこの村に到着した際に見かけた冒険者くずれの輩共が挑発的な目つきと嘲笑を浮かべ取り囲んでいた。
 しかし少女は少女で少しも怖気づいた様子はなく、毅然とした様子で相手を睨み返している。

冒険者くずれA「そんなデカい声出すなって。こっちはお嬢ちゃんに品物を売って欲しいって頼んでるだけなんだからさ」

???「自分で打った剣を三振り十ゴールドでなら買ってやるなんて戯言にヘラヘラ応じてやる程、アタシは卑屈じゃないんでね!」

冒険者くずれB「鈍らなベルニア人の打った剣には、ピッタリの値段だと思うがな……」

 他の輩の一人が発した暴言に便乗するかのように、下品な嘲笑と失笑が飛び交う。少女はカッと顔を赤くし、鉛色の瞳を見開いた。

???「はんっ! 良い大人の癖して礼儀もなってなけりゃ、物の価値も判らないときたもんだ! 
ベルニア人が鈍らだってんならアンタ達は物知らずのめくら同然さ! 武器の目利きすら満足に出来ないなら冒険者なんてとっとと辞めちまえ!」
 
 胸を反らして啖呵を切った少女のその余りの口の悪さと威勢の良さを目の当たりにしてレイスはニヤリと口角を上げる。
 同時に相手方の顔色はガラリと変わり、一気に空気が張り詰めたことも察知したが、レイスは面倒事には関知しない、と己に言い聞かせるように距離を取りながら脇を通り過ぎようとした。

冒険者くずれC「……てめぇ、ガキのままごとに付き合ってやろうと思ったらクソ生意気な事抜かしやがって……!」

 輩の中で一番強そうな男がとうとう抜刀した。
 これまで遠巻きに事の顛末を見ていた村人達は悲鳴を上げ、慌てて建物の中に駆け込んでいった。

???「こちとら端からままごとのつもりで商売してないのさ!」

 少女も腰に下げていた小型の斧を手早く取り身構えた。斧の刃には美しい尾長の鳥の彫金が施されている。
 レイスは目を見開き少女の斧と自身の愛刀を交互に見た。その刃模様は、友から貰ったレイスの愛刀――シャルトスに施されたそれと瓜二つだった。

レイス「”自分で打った”剣……? アレも、まさか……?」

 少女は気合を込め斧の刃を煌めかせ大きく振りかぶった――が。

???「っ?!」

 余りにも多勢に無勢だった。最初に抜刀した男の脇から別の男が素早く一歩踏み出し、剣の鞘で少女の胴を薙いだ。
 短い呻き声を上げ、少女はその場に膝を折る。それでも輩共は気が済まないのか崩れた少女の短い髪を掴み、その場に乱暴に突き飛ばし、少女の担いでいた荷を奪った。
 怯えたように耳を寝かせすっかり腰が引けてしまったロバの手綱も乱暴に引っ張っていく。

冒険者くずれA「コイツは俺たちが全部買ってやる。……全部売れて良かったな、お嬢ちゃん!」

???「ま、待……」

 嘲り笑いと十ゴールドにも満たない小銭を投げつけられて尚も、少女は荷とロバを取り返そうとよろよろと立ち上がる。
 レイスは拳を握り締めた。輩共に再び立ち向かおうとする少女の肩をぽん、と叩き、足元に落ちていた小石を拾い上げ、立ち去ろうとする輩共の背中めがけて思い切り投げつけた!

冒険者くずれA「?! な、なんだっ」

 輩共が一斉に振り返る。相手が状況を飲み込むより先にレイスは無言で彼らとの間合いを詰め、輩共に冷たい一瞥をくれてやりながら男の顔面に拳を叩き込んだ。
 男は仰け反るように地べたに倒れ、転がる。男の仲間はようやく状況を察知したのか一斉にレイスを睨みつけた。

冒険者くずれB「テメェ、どっから沸いてきやがった!」

 レイスは何も答えず、今度は無理やり少女の腕を引っ張り村の入口まで全速力で駆けた。「マーガレット…!」と少女が掠れた声で叫んだが足は止めなかった。

レイス「お前、まだ走れるか?」

???「あ……。まぁ、それなりに、は……」

 少女の翻ったポンチョの隙間から、拵えの良い革鎧がちらりと見えた。レイスはそれを見て安堵したかのように小さく息を漏らす。

レイス「ならいい。お前の荷物もロバも俺が必ず取り返してやる。だから一つ頼まれごとをしろ」

 少女の否応も聞かずにレイスはソフィアに頼まれていた荷物を少女に押し付けた。

レイス「村の近くにある一番でけえ林ん中で俺の連れが休んでいる。派手な銀髪の男とお前と同い年くらいの女だ。そいつらに荷物を渡してラニアで落ち合うと伝えろ。それだけ言えば伝わる。
……そいつらに事情を話せばお前の事も悪いようには扱わねえ。だからそいつらと暫く一緒にいろ。いいな?」

???「あ、あんたは……」

レイス「約束は守ってやる。さっさと行け!」

 レイスは少女に背を向ける。暫しの間はあったが、少女の駆ける足音はだんだんと遠ざかっていった。
 少女がいなくなった所で、レイスは愛刀シャルトスを鞘から引き抜き、構える。
 怒りに顔を歪ませた輩どもが各々武器を手に取り、レイスを追いかけてきた。その数は七人。

冒険者くずれC「追いついたぞ……途中からしゃしゃり出てきやがって。
テメェ何モンだ?! たった一人で俺たちに勝てるとでも思ってんのか?」

 数に圧されても、レイスは不敵な表情を崩さない。

レイス「物の価値も判らねえボンクラ共に、名乗ってやる名前なんてねえよ。
……今日は胸糞悪いもん見聞きしてイラついてんだ。憂さ晴らしに付き合ってくれねえか? なぁ?」

 レイスの鋭い眼光と、シャルトスに施された尾長の鳥の意匠は、爛々と煌めいていた。

◇◆◇
前のエイル編と比べるとシアちゃんがかなりキャラ変わりしたと思います。
一部差別用語を用いましたが、商業ではないのでギリギリ大丈夫だろう、と判断しました。でも不快になったらごめん。
あとおばさんはそれに当てはまる人を差別する感性は持っていません。念のため。
Pass :
名無しおばさん

Re:エイル編2章 加筆修正

2017/11/20 (Mon) 20:41:38
■セイシェル皇国領内 背景<森林>

ソフィア「ねえ、エイル……レイスと約束した二刻半まであと少し猶予があるけど……彼にしては、戻ってくるのが遅いと思わない?」

 野営の支度も愛馬であるマーガレットの世話も武具の手入れも終え、すっかり手持ち無沙汰になってしまったソフィアはエイルの横に腰掛け、自分の長く豊かな髪を編んでは解き、編んでは解きを繰り返しつつ、エイルに尋ねる。
 そわそわと落ち着かないソフィアに対し、エイルは背筋を伸ばし彼女の傍らに腰かけている。

エイル「レイスはあれで用心深い面があるからな。粗悪品を掴まされないように吟味しているのかも知れない」

ソフィア「そうかしら……。いつもならそれこそ一刻も早く戻ってきそうなものだけど……。もしかして、彼の身に何か」

 ソフィアが言いかけた所でエイルはその青い瞳を鋭く光らせる。そして自分の唇に人差し指を当てた。

エイル「……誰かが、こちらに向かってきている。……だけど、レイスじゃない」

 ソフィアが顔を強ばらせた。二人は傍らに置いてあった剣を手に取りマーガレットを死角となりそうな場所に隠し手頃な木の裏側に回り込んだ。
 ざざざ、と雑木林の落ち葉と土を踏み鳴らす音がだんだん近づいてくる。それも、かなり速い。

エイル「相手は多分一人だ。……だけど油断は出来ない」

 ソフィアが頷き返す。剣を握る手に力が入った。
 足音はもうすぐそこにまで迫ってきた。今だ、とエイルとソフィアは木の陰から素早く躍り出て剣を突き出した!

???「ひゃっ!?」

 足音の主とおぼしきその人物はすんでのところで一歩後ろに飛び退いたが、やや湿った落ち葉と土に足元を取られその場に尻餅をついた。

ソフィア「! 貴方は……」

 エイルとソフィアは顔を見合わせ、すぐさま相手は自分達を追い回しているラニアの傭兵とは無関係だと察知した。
 音の主は炎めいた赤髪の少女だった。いてて…、と腰を摩りながらも大事そうに抱えていた荷だけは手放さない。

???「! アタシと同い年くらいの子と……銀髪!! アンタらが色黒の剣士の男が言ってた人達かい?」

エイル「色黒の剣士…それはレイスの事ですか?」

 エイルは少女を起こすために手を貸しながら尋ねる。

???「そいつの名前は聞いちゃいない。けど、この荷物を林の中にいるアンタらに渡せって言われてさ。
それから、ラニアで落ち合うと伝えろとも言われた。それだけ言えば分かるって……」

 赤髪の少女はそれだけ言ってエイルたちに荷を託し膝を折り蹲った。疲労困憊とばかりに息が荒い。
 エイルとソフィアは再び顔を見合わせた。
 
ソフィア「……あなた、この近くの村でその彼と会ったのよね? 苦しそうな所悪いけれど、村であなたと彼に何があったのか教えてくれる?」

 ソフィアが少女の背中を優しく摩りながら問いかけた。
 ・
 ・
 ・
ソフィア「……そう、そんな事があったのね。女の子になんて酷いことするのかしら!」

 少女が受けた仕打ちを聞きいたソフィアは、それを自分がされた事であるかのように悔しげに顔を歪め、唇を強く噛んだ。

ソフィア「エイル。いくら相手が小物だとは言っても、相手は複数……彼一人では危険だと思うわ。
私はレイスを助けに行きたい……けれど、エイルはどう考えているの?」

 ソフィアは拳を固めエイルに尋ねた。
 エイルは顎に手を添え、瞼をきつく閉じる。そして。

エイル「……このまま、ラニアに……」

ソフィア「!? ……」

エイル「……行くわけないだろ? 
これだけの事情を知って、それでもレイスの言う通りに動く程、私は賢くないんだ」

 エイルの返答に、ソフィアは大きな瞳を輝かせた。

エイル「だけど急ごうにも、私の足では時間が掛かってしまう。ソフィア、私もマーガレットの背に乗せてくれるかい?」

ソフィア「ええ、勿論よ! マーガレット、私とエイル二人までなら頑張れるわよね?」

 当然だ、と言わんばかりにマーガレットは鼻をふかし尾を振った。エイルはありがとう、と微笑み彼女の鼻を優しく撫でる。
 ソフィアは慣れた様子で彼女の背に跨り、続いてエイルもソフィアの後ろに陣取る形でマーガレットの背に跨った。

エイル「……炎の髪のお嬢さん。貴方はここで、なるべく木の陰に隠れて暫く休んでいてください。
二刻経つまでには必ずここに戻ってきます。貴方のマーガレットを連れて」

 エイルがソフィアに目配せをする。ソフィアは頷き手綱をしっかり握り愛馬の腹を軽く蹴った。
 マーガレットは勇ましく嘶き、疾風のように雑木林の駆け出していった。

◇◆◇
結局文章を書き直した所で、どうやってもエイルはこんな台詞回しになるんだな、としみじみ実感しました。
西洋人風貴族系男子だもんね。多少芝居ががってるのはもう仕方ないよね(?)
Pass :
名無しおばさん

Re: エイル編2章 加筆修正

2017/12/05 (Tue) 01:14:24
■セイシェル皇国領内 背景<村>

冒険者くずれB「へっへへ……ベルニアのガキが打ったって割には、いい代物じゃねえの」

 不躾にも赤髪の少女から乱暴に奪い取った武器の荷を輩共は我が物顔で解き、レイスめがけて無造作に振るってくる。
 使い手には不釣り合いな程、それらのどれもが鋭利であり、優雅にして端麗であった。
 レイスは全ての攻撃をかわしつつ歯噛みした。

レイス「……テメエらみてえな三流以下の使い手にゃ、勿体ねえんだよ、その折角の代物が」

  怒りと軽蔑を込め、レイスは吐き捨てるように言った。

冒険者くずれB「野郎! 粋がるのも大概にしておけよ! テメエもあのガキみてえに叩き潰してやらぁ!!」

レイス「やれるモンなら、やってみやがれってんだ!」

■セイシェル皇国領内 戦闘マップ<村>

 戦闘アニメーション レイスVS傭兵
 
 傭兵Lv.2
 HP25 力5 速さ8 技8 守備4 幸運0 魔防0 体格9 移動5
 所持品:カトラス(D)

 ・傭兵から先制攻撃 レイスは回避
 ・レイスの攻撃 レイスはシャルトス装備でクリティカルを決め傭兵を撃破
 ※命中率・回避率・必殺率など無関係にこの先頭ではレイスが必ずクリティカルで敵を撃破する
 ※経験値は入らないがシャルトスの使用回数も減らない

 『カトラスを手に入れた!』

■セイシェル皇国領内 背景<村>

レイス「……さぁ、次はどいつが相手してくれるんだ?」

 レイスは倒れた男から強引にカトラスを奪い取り、右手にシャルトス、左手にカトラスを携えると、輩共にゆらりと詰め寄る。

冒険者くずれC「く、くそ……!」

 輩共はたじろぎつつも半ば自棄になったのか、その中の一人が尾長の鳥の意匠が施された長剣を構え前に踏み出た。相手方の中では最も強そうな男だった。
 長剣の、紅蓮の波打つ刀身は激しく燃え上がる炎を連想させる。同時に、一振りで命の全てを刈り取ってしまう力強が見て取れた。
 レイスの顔が一瞬強張る。まともに受けてしまえば、剣もレイス自身もひとたまりもない。
 先に間合いに入った男の長剣が、高々と振り上げられる。レイスは己を奮い立たせるように両手に持った剣を強く握り直し、身構えた。

???「――レイス! 下がるんだ!」

レイス「!?」

 聞き覚えのある声に、レイスは咄嗟に半歩飛び退いた。男の脇と鼻先を、鋭い何かが数本掠めていった。その拍子に男はよろけ、その場で膝をつく。

レイス「! 矢だと……!?」

 レイスは目を見開き、声のした方をハッと見上げた。
 白い愛馬を巧みに操り疾風の勢いで駆けてくる少女騎士と、その後ろで銀髪の貴公子が矢を番えた弓を構えていた。

レイス「エイル! ソフィア!」

 ソフィアが輩共を蹴散らす勢いで愛馬をジグザグに走らせ、エイルはその不安定な体勢をものともしていないかのように、輩共の足元目掛けて矢を立て続けに放ち動きを牽制する。
 ひとしきりその場を掻き乱すと、ソフィアは愛馬を旋回させレイスの傍に駆け寄る。

エイル「……大した怪我は、していないようだね」

 エイルが静かに馬上から降り立ち、レイスの隣に並んだ。

レイス「……赤い髪の女には会わなかったのか?」

エイル「会ったさ。事情も聞かせて貰った。彼女には林の中で休んで貰っている」

レイス「だったら何でここに来た」

エイル「私はレイスに小言を言われるのも怒られるのも好きなんだ」

レイス「気色悪い事言うんじゃねえ。 ……まぁ来ちまったもんは仕方ねえ。とっとと片付けるか!」

■戦闘開始!

勝利条件:敵全滅もしくは盗賊の撃破
敗北条件:エイルの死亡もしくは盗賊の戦線離脱

敵:盗賊×1 冒険者×3 傭兵×2
ドロップアイテム:フランベルジェ 鉄の斧 赤の宝玉

ボス:盗賊Lv.4
HP18 力5 速さ10 技4 守備2 幸運4 魔防0 体格6 移動6
所持品:鉄の剣 ★少女の荷物

■戦闘開始直後の会話 戦闘マップ<村>

 ・盗賊にカーソル移る

ソフィア「……あの子の大事な荷物とロバを連れてるのはアイツね。逃げ切られてしまう前に何とかなくちゃ……。
エイル。私がアイツを追いかけて、あの子のマーガレットを助け出してみせるわ!」

 ・傭兵にカーソル移る

レイス「なぁ、エイル。お前が最初に矢をけしかけてすっ転ばせたヤツがいるだろ? あの男は自分の身の丈に合わない武器を振るって得意気になってる大馬鹿野郎だ。
俺でさえ使いこなせるか解らねえ代物を、あんなヤツが持ってるのは気に食わねえ。アレも元はあの赤い髪の女の持ちモンだ。無理強いはしねえが、取り返すのに一丁付き合ってくれねえか?」

■戦闘中の会話 戦闘マップ<村>

 ソフィア・レイス隣接時

ソフィア「レイス。エイルとは仲直り出来た?」

レイス「仲直りだぁ? そんなメンドクセェ事しなくても、俺とエイルはどうとでもなるんだ」

ソフィア「あら、貴方たちがいくら仲良しでもこういう事はちゃんとお話しなきゃ駄目よ?」

レイス「うるせえ。まず自分のやる事やってから物を言え。オラ、お前はあっちだ。さっさと行け」

ソフィア「ふふふ、了解! ”おにいさま”!」

◇◆◇
多分このパートが一番変わってるかと思います。
兄貴だって、イジられる時もある。あと「大概にしろ」って確か方言ですよね。
次回ようやくエピローグです(多分)
民家訪問会話とか盗賊離脱時のセリフはおいおい追加していく予定です。あくまで予定w
文章違和感あるとこ見つけたらそっちも随時修正していきます。
Pass :
名無しおばさん

Re: エイル編2章 加筆修正

2019/04/19 (Fri) 16:07:37
■エピローグ

■セイシェル皇国領内 背景<村>

 刃と刃がぶつかり合う音が、騎馬の嘶きが、全ての喧騒が水を打ったかのように静かになると、息を殺し門戸を閉め切っていた村人達が、外の様子を伺おうと民家の小窓をそっと開け顔をのぞかせる。
 小窓から様子を伺っていた誰かとエイルの目が一瞬合った――かと思うと慌てたように小窓が閉じられた。

エイル「……ソフィア。君は先に行って彼女にマーガレットの無事を伝えてあげてくれ」

 ソフィアは何も言わず頷き、手綱を繰って愛馬を走らせた。

エイル「行こう」

 エイルは外套を翻し踵を返す。
 レイスはロバのマーガレットの手綱を引っ張り、二人は足早にその場を後にした。

■セイシェル皇国領内 背景<平地>

エイル「レイス」

エイル「さっきは悪かった。君の言っている事は正しかったのに……本当、ごめん」

レイス「過ぎた事はいい。別に気にしちゃいねえ。……まぁ、俺も大人げなかった。お前の気も知らねえで……悪かったな」

エイル「君からそういう言葉を聞くとは、意外だな」

レイス「お前な、俺だってたまには……」

エイル「冗談だ。これからも君の力を貸して欲しい。また相談に乗ってくれるかい?」

レイス「言われなくても端からそのつもりだ」

エイル「ありがとう。さ、急ごう。二人が待っている」
 
■セイシェル皇国領内 背景<森林>

ソフィア「お帰りなさい、エイル、レイス。それに、マーガレットも!」

野営地に戻ってきたエイルたちをソフィアが出迎えた。

???「マーガレット! 無事で…本当に良かった」

 ソフィアの後ろから様子を窺うように赤髪の少女がひょっこり顔を出す。
 少女はレイスに連れられた相棒――マーガレットの姿を見るや強張った表情が解け、その首に抱きついた。マーガレットもまた少女との再会を喜ぶかのように鼻を擦り付けた。

???「ありがとう。本当に、なんて礼を言っていいやら……」

レイス「礼なんざどうでもいい。まともに商売したけりゃ、次からはもうちっと物言いやらやり方やら考えるこった」

 レイスのぶっきらぼうな言い草に少女は顔を赤くした。

???「な、なんでアンタに説教されなきゃならないんだよっ!」

レイス「目に余ったからだ。どれだけいいモン取り扱ってても、売り手がこれじゃ宝の持ち腐れってもんだ」

???「何っ!?」

エイル「すみません、お嬢さん。伝わり難いとは思いますが、これでも彼は貴女を心配しているのです」

エイルがレイスと少女の間を割って入った。

エイル「それよりも、貴方は商いをなさっているのですか?」

???「あ……、あぁ! そうとも!」

 少女は肩の力を抜くと、背筋を伸ばし胸を張ってエイルに自信ありげな顔をして見せた。
 
???「武器や薬だけじゃない。保存食や菓子、異国の衣装、宝飾品に化粧品……なんでも取り揃えてるよ!」

 その華やかで心躍る単語に瞳を輝かせるソフィアを見て、エイルは小さく笑った。

エイル「それはとても素敵ですね。では、貴方の力を見込んで一つ相談があるのですが」

レイス「おい、エイル。誰彼構わずペラペラ喋るな」

エイル「誰にでものつもりは無いさ。君が回り道をしてでも助けて気に掛けた人だ。信用したいし、信用できる。
……聞いてくれますか? お嬢さん」

???「アンタらはマーガレットを助けてくれたんだ。アタシで力になれそうな事なら聞かせてくれ」

 頷き合う二人を交互に見て、レイスは決まりが悪そうに後ろ頭を掻いた。



???「……話は分かった。見るからに金持ちそうなヤツらが野宿の支度なんてしてるもんだから、何かワケありだろうとは思ってたけど……」

エイル「はい。今回はどうにか物資を調達出来ましたが、それも最低限。
旅慣れぬ身故、この状況には難儀しています。貴方のような方にお力添えいただければ心強いのですが……」

???「……よし、分かった。いいよ。協力する」

 少女は膝を打って言った。

エイル「! ありがとうございます!」

???「でもどっちみち、今のままじゃ駄目だ。アタシが手を貸したところでまた狙われて、その繰り返しさ」

ソフィア「どうして?」

 そりゃあ、と少女はエイルたちを一瞥する。

???「珍しい銀髪でオマケに二枚目。お供には白馬の女騎士と色黒で強面の剣士。身なりもいいし、アンタらは自分で自分の事をどう思ってるか知らないけど、目立ち過ぎなんだよ。
相手方にはどうせ顔も割れちまってるだろうしさ。ここは上手く隠れていかないと」

エイル「隠れるとは……」

???「言ったろ? 異国の衣装に化粧品に……なんでも取り揃えてるって。一丁アタシに任せておくれよ」

 少女は不敵な笑みを浮かべて見せた。

???「あ! それと。お嬢さんってのは勘弁してよ。
アタシの名前はシアっていうんだ。改めてよろしく頼むよ、エイルさん!」

つづく

◇◇◇

に、二年ぶりの投稿……(;゚Д゚)
平成が終わる前になんとか2章の大筋を書くことができました。細かい会話とかは、またいつか……。
エイルとレイスが対等な親友であるということが表現できたと思います。
シアも性格を大幅に変えた事で、ソフィアとの区別がしやすくなりました。こっちのキャラの方が私は好きです。
あと地の文は減らしました。書かれていないところとかは読んでくれてる人の想像力にある程度委ねようと思いました。
これからも書ける間は時間かかってでも書いていきたいです。がんばるぞー。
Pass :
mm

Re: エイル編2章 加筆修正

2019/04/20 (Sat) 13:40:39
お久しぶりでーす。
いえ、まあ、私も色々と止まっているので…お互いさまという事で。平成の内に使途編5章は投稿したいところ…

それはともかく。

やったあああ!更新だあああ!
やっぱレイスニキはいいぞ。基本ツンデレ保護者。割と誰に対してもこうなの?いや気に入った相手にだけだからさあ!
ぶっきらぼうないいひと男子とか大好物。
相手のダメな所を見つけると指摘せざる得ない…イイ人だ…

シアさん頼りになるなア。
このパーティに足りない人材を補う感じ。凄いイイよぉ。頼りになる仲間だー

というかエイル一行よ、そんな小ぎれいな格好で旅を……?
敵さんは敵さんで見つけやすすぎて困惑してたのかもしれない。
Pass :
スマホおばさん

Re: Re: エイル編2章 加筆修正

2019/04/23 (Tue) 00:47:28
イエーイ、おひさしー!
年齢のせいにはしたくないけど、お年頃になると色々あってね…

それはそうと!
読んでくれてありがとでーす!
人との接し方はちょっと不器用だけど頼れる兄貴肌ってのはいいよね!
シアネキは時代劇の再放送観ながらキャラ考えました笑
セイシェル組はセイシェル以外のことはあまり知らないので、そういう部分も助けてくれるキャラになって貰いたいです。
レイスニキもシアネキも他の人からの提供キャラだけど、なかなか渋く表現できてるなーと自画自賛してます笑

エイル一行の服装は、上流階級の人々なので地味にしてるつもりでも全然地味になってなかった!っていうやつです。
野暮ったい服着てもパリッとした佇まいになる人って、現実にもいますよね笑

そして5章!楽しみにまってりゅううううっ!
平成最後の楽しみっ!笑
Pass :
あんみつ

Re: エイル編2章 加筆修正

2019/04/26 (Fri) 16:44:35
おひさしぶりでーす(というか遅くなりましてすみません)
サボり具合なら私もそうとうなもんなのでもう……

シアさんが頼れる姉さんに!
好きです、姉御肌ですごくいいですね。
賑やかな旅になりそうです。

>上流階級の人々なので地味にしてるつもりでも全然地味になってなかった!
多分、庶民は麻の服とか着てるのに上等な布の服着てるとか周りに比べて背筋が伸びて立ち姿が格好良いとかそういう……?
シア姉さんの手腕でどう変身するのかちょっとwktkしてます(笑)
Pass :
スマホおばさん

Re: Re: エイル編2章 加筆修正

2019/05/01 (Wed) 13:52:58
>あんみつさん

イェイ、ハッピー令和!感想ありがとです!!
ま、まあみんなゆっくり書いていきましょ!(震え声)

シアネキは時代劇に出てくる勝気で活きの良い姐さん的なイメージで書きました。
立ち回りはちょっと不器用な印象ですが、その辺もちょっとずつ成長していくかも…?
返信したエイル一行は…ふっふっふ。乞うご期待です笑

>周りに比べて背筋が伸びて立ち姿が格好良いとかそういう……?
そういうやつです。立ち居振る舞いなんかはかなり意識しないと崩せないでしょうし。
上級国民だから多分肌とか髪とかもツヤツヤなんでしょう。
う、羨ましい…。
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